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JIP33ガス用継手規格によりオペレーションを改善するには

JIP33チューブ継手仕様によりオイル/ガスのオペレーションを改善するには

Logan Boatright、シニア・グローバル・アカウント・マネジャー、スウェージロック

今回は、とあるエピソードを紹介するところから始めましょう。ある大手オイル/ガス事業者が、2,000個を超える小口径チューブ継手を用いて接続したトップサイド・モジュールの試運転を行うことになりました。同社は「同等の仕様」に適合していると主張するサプライヤーを選定しましたが、第三者による試験を行ってみると、製品品質のばらつき、材料認証の欠如、不適切な継手の組み立てといった問題が次々と発覚しました。その結果、適切な部品を調達し直したことで12週間もの遅延が生じ、300万ドルものコスト超過、緊急配送費用、そして作業工数の損失を被ることになりました。


これはオイル/ガス事業者なら誰もが目を覆いたくなるような事態ですが、これを回避するのは容易なことではありません。 複雑なオイル/ガス・プロジェクトを期限内に、かつ予算内で完了させるには、あらゆる段階において技術的な専門知識、効率性、安全性、そして一貫性が求められます。つまり、漏れや手直しを最小限に抑え、エンジニアリング・サイクルを短縮し、経費の超過を極力抑える必要があるのです。

部品選定の標準化は、特に大規模なグローバル・プロジェクトにおいて、効率的に業務を遂行し、リスクを低減するための手段のひとつです。そしてこれこそが、調達仕様の標準化を進める 国際石油・天然ガス生産者協会(IOGP)の共同産業プログラム33(JIP33)において、ガス用継手の要件が策定された背景にある主な目標なのです。JIP33仕様は、サプライ・チェーン全体におけるばらつきを低減し、資金運用の管理強化を図ることを目的としています。主要なオイル/ガス企業の大半が加盟しているIOGPの仕様は、世界的に重要なアプリケーションにおいて合意されたベスト・プラクティスを体現するものとなっています。

JIP33仕様は、ダウンストリームのオイル/ガス・オペレーション全体で使用される汎用部品、インフラ、システムの要件を定めています。その中のひとつである S-716仕様 は、小口径の チューブ および 継手 を対象としています。オイル/ガス施設の安全性、効率性、生産性、そして収益性を維持する上で、さまざまな側面に影響を及ぼす重要な部品がチューブおよび継手なのです。

今日、チューブ継手選定の際に本仕様を適用させることは、どのようなプロジェクトに対しても大きな影響を与える可能性があります。この点を踏まえれば、JIP33 S-716仕様の主なポイント、そしてそれらがプロジェクトのスケジュール短縮、現場での取り付け時のリスク低減、大規模プロジェクトでのコンプライアンス確保にどのように寄与するかについて検証してみる価値があるといえます。Swagelokチューブ継手の利点につきましては、こちら をご覧ください。

JIP33に準拠してチューブ継手の混用/互換を回避する

JIP33に準拠して混用/互換を回避する

オイル/ガス流体システムでは、数千個もの継手が確実に機能することで、効率的なオペレーションを維持しています。このような状態を保ち、長期的なシステム・パフォーマンスを確保するための主な方法のひとつが、単一メーカーのチューブ継手を使用することです。実際、JIP33 S-716仕様では以下のとおり明確に規定されています:

  • 「継手は単一メーカー製を使用するものとする」
  • 「異なるメーカーのチューブ継手の混用は認められない」
  • 「異なるメーカーのチューブ継手の互換は認められない」

こうした指針の重要性を理解するには、混用と互換の違い、そして混用や互換によってシステムの整合性がいかに損なわれるおそれがあるかを詳しく見る必要があります。

混用とは、複数のメーカーのチューブ継手部品(ナット、フェルール、ボディなど)を混ぜて、継手を組み立てることです。例えば、あるメーカーのチューブ継手ボディと別のメーカーの内部部品を組み合わせることは混用とみなされます。

一方、互換 とは、あるメーカーのチューブ継手をチューブに取り付けてから分解し、チューブ、ナット、フェルールを別のメーカーのチューブ継手ボディに再度取り付けることです。

複数のメーカーのチューブ継手部品の混用や互換が可能という主張には、疑問を感じざるを得ません。例えば、「スウェージロック互換」であるとはっきり実証されている他社製品は一切存在しません。ブランドの混用や互換を行うと、コストがかさむばかりか、作業者の安全やシステムの信頼性を損なうといったリスクも伴うことになります。こうした理由から、IOGPはS-716仕様において混用や互換を避けるよう規定しています。

互換/混用に関するコラム記事を見る

JIP33に準拠した継手技術を指定する

JIP33に準拠した継手を指定しているか確認する混用や互換によって問題が生じる理由のひとつとして、チューブ継手の中にはS-716仕様で認められた定義の範囲内で設計・製造されていないものもある点が挙げられます。同仕様では、 「チューブ継手はフレアレスのダブル・フェルール・タイプであること」と規定されています。市販のチューブ継手の多くはこの要件を満たしていますが、すべてではありません。例えば、一般的に使用されているチューブ継手の中には、シングル・フェルール設計のものもあります。シングル・フェルール設計は、一部のアプリケーションには適しているものの、非常に重要なオイル/ガス流体システム・アプリケーションにおいては、ダブル・フェルール設計でなければ適切なチューブ・グリップ力を得ることができません。

さらにS-716仕様は、チューブ継手は ASTM F1387-19 規格に準拠したテストを行うべきであると規定しています。同規格は、重要なチューブ配管システムのチューブ継手に必要なパフォーマンス特性を定めています。これはオイル/ガス業界にとって、選定したチューブ継手のパフォーマンスに対する信頼性を高める上でのもうひとつの基準となります。

JIP33に準拠したメーカー・トレーニングおよびツールの重要性

JIP33に準拠したメーカー・トレーニングおよびツールの重要性S-716仕様には、チューブ継手メーカーの推奨事項(トレーニングや取り付けなどの要素に関して)の順守についての重要な規定も含まれています。具体的には、以下のとおり規定されています:


  • 「チューブ配管システムの取り付け担当者は、継手メーカーが認定する製品トレーニング・プログラムまたは同等の業界トレーニング・プログラム(組み立ての実技を含む)の認証を取得するものとする」
  • 「チューブと継手の取り付け準備およびマーキングは、継手メーカーの推奨事項に従って実施するものとする」
  • 「チューブと継手の組み立てには、チューブ継手メーカーが推奨するツールを使用するものとする」

これらの要件を考慮すると、オイル/ガス業界では、規格に準拠したチューブ継手はもちろん、 徹底したトレーニング・プログラム や現場サポートも提供可能なサプライヤーとの協業を優先することをお勧めします。こうしたリソースは、適切なツールを用いた正確かつ効率的な継手の取り付けを担保する上で、大きな付加価値となりえるからです。例えばスウェージロックでは、JIP33規格に準拠したチューブ継手トレーニング・プログラムをお客さまと共同で開発し、世界各地で提供しています。

適切なトレーニングがオペレーションに与える影響

流体システムにおける一般的な漏れの原因のひとつに、不適切な取り付け作業 が挙げられます。一方で、十分なトレーニングを受けた技術者チームであれば、漏れを発生源で防止することで、コストのかかる手直しを無くし、迅速にシステムを稼働させることができます。

技術的なヒントを動画でご覧ください。

JIP33仕様に確実に準拠することで、単にリスクを低減するだけではなく、システムおよびサプライヤーの長期的な信頼性を築くことにもつながるのです。

JIP33仕様に準拠したチューブ継手の標準化に興味がございますか?スウェージロックの専門スタッフにお任せください。当社のエンジニアリング・チームはJIP33仕様の要件に精通しているほか、Swagelokチューブ継手は、一般的に使用されているシングル・フェルール継手とは異なり、推奨規格に厳格に準拠して設計されています。詳細につきましては、今すぐお問い合わせください。

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