大手精製業者2社がガソリン調合の課題を解決した方法

ガソリン調合コストの削減で数百万ドルを節約

ガソリンやディーゼル燃料の精製業者にとって重要なのは、期待する仕様を満たす最終製品を生産することです。燃料を混合してオクタン価を調整し、さまざまな性能レベルのガソリンを生み出す調合プロセスは、仕様への適合および精製所において収益の最大化を実現する上で重要な役割を担っています。ガソリンを調合する際は、タイムリーかつ正確なプロセス分析が極めて重要です。これにより、精製業者は性能レベルごとの処理率およびそれに応じた価格帯を最適化することが可能になるためです。

しかし、プロセス分析をタイムリーかつ正確に行うのは必ずしも容易ではありませんし、問題が生じた際にそれを難なく特定できるとも限りません。プロセス分析器による分析結果が正確でない場合や遅延が発生した場合は、ガソリンの組成を迅速かつ確実に検証することができません。そのため精製業者はプレミアム価格を設定することができず、数百万ドルもの損失を被ることにもなりかねません。その上、問題を解決しようと頻繁にフィルターを交換するといった不要なメンテナンスを行うことで、時間を無駄にすることもあります。

しかし、大手石油精製業者2社が気づいたように、サンプリングのエキスパートと協働して最適化された分析システムを導入することが、サンプリングの正確性および適時性を最大化させて「ギブアウェイ（品質ロス）」を最小限に抑える鍵となるのです。

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ガソリン調合の問題を分析的手法で解決（テキサス州）

問題点

米国を本拠地とする最大手精製業者は、大規模ガソリン精製所において主要なガソリン調合装置に問題が生じていることに気づきました。

スウェージロック・テキサス・ミッドコーストのサービス部門ディレクターを務めるジェイソン・アレキサンダー氏は、次のように語っています。「分析監督者の一人が、装置分析システムで発生していた問題について相談を持ちかけてきたのです。彼は、システムに 時間遅れ が生じていると考えていましたが、どのくらいの遅れがあるのか正確には把握していませんでした。過度な時間遅れは大問題になりかねません」

時間遅れとは、サンプル（この場合はガソリン）をプロセス・ラインの取出し口からプロセス分析器に移送するまでの総所要時間を指します。収益を最大化するには、時間遅れを最小限に抑えて正確な測定値を得ることが重要です。例えば、エンジニアが1分間と想定していた時間遅れが実際には2時間だった場合、分析器による測定値はもはや関連性や目的を失う可能性があります。こうした時間遅れが長引くと、燃料中のオクタン価の検証ができず、結果として顧客に対して適正な料金を請求できなくなります。

時間遅れは大問題になりかねません。
30分間で数百万ドルもの損失が出ることもあります。

「高オクタン価の製品を調合した後に低オクタン価の製品に切り替えた場合、採取したサンプルがプロセスにおける変更を正確に反映していることを分析によって確認する必要があります」とアレクサンダー氏は語っています。「つまり、オクタン添加率を下げたことを分析システムが認識するのに10分かかるとしたら、その変更を確認するまでの10分間は、低グレードの料金で製品価格を設定しなければなりません。しかし、もし10分どころか30分かかるとしたら大ごとです。その30分間で数百万ドルもの損失が出ることもあります」

ソリューション

スウェージロックのフィールド・エンジニアがこのお客さまのところへ出向き、分析調査を実施しました。そして精製業者の各部門との協働プロセスを通じて、以下のような克服すべき課題が明らかになりました：

• サンプル取出し口で圧力が変動している
• 面積式流量計が装備されていない
• 二段式フィルターおよび ½ インチ・サイズのヘッダーをパージするのに必要な流量が不足している
• 流量制御エレメントが不十分で、圧力や流量を目視で確認することがほとんどまたはまったくできない
• サンプル移送ラインが長すぎる
• フィルターの容積が大きすぎる
• 分析器につながるラインに不要なたまり部が数カ所ある
• サンプル・プローブを目視で確認することができない
• グラブ・サンプリング・ステーションが最適化されていない

「私たちは調査結果を提出した後で、精製所の分析部門と緊密に連携し、可能なソリューションを特定することができました」とアレクサンダー氏は語っています。「このプロジェクトの前に、私たちはすでにこのお客さまとの間に良好な関係を築いていました。この絶対的な信頼こそが非常に重要でした。お客さまは、必ず課題を解決してくれるとスウェージロックを信じてくださっていたのです」

スウェージロックは、新しいグラブ・サンプリング・パネルおよび分析パネルに加え、分析器の正確性をさらに高めるための遠心ろ過設備も提供しました。こうした改善を行ったことで、時間遅れをわずか56秒にまで短縮することに成功し、合計で数百万ドルものコスト削減につながりました。これを受けてお客さまは、北米各地の他の施設でも同様のソリューションを展開する意向を示しています。

「私たちは、このような関係をすべてのお客さまとの間で築くべく取り組んでいます」とアレクサンダー氏は語っています。「そして結果がすべてを物語っています」

4,400万ドルのコスト削減を実現（カリフォルニア州）

問題点

多国籍石油会社が運営する大手ガソリン精製所が、同様の問題に直面していました。その精製所では、サンプル分析において過度の時間遅れが生じていたことで、ギブアウェイが6,000万ドルに及んでいました。これは、ガソリン最終製品のオクタン添加が過剰になったことが原因でした。

精製所のスタッフは、スウェージロックによるプロセス分析サンプリング・システムのトレーニングを以前に受講していたこと、そしてスウェージロック・ノーザン・カリフォルニアのフィールド・エンジニアが姉妹施設向けに開発したソリューションについて見聞きしていたことから、この問題の解決策についてスウェージロック・ノーザン・カリフォルニアに相談しました。

その精製所では、時間遅れを短縮することで、オクタンの
ギブアウェイ・コストを6,000万ドルから1,600万ドルへと
大幅に削減することができたのです。

ソリューション

スウェージロックのオイル／ガスおよび化学（ケミカル）市場マネジャーを務めるデブ・カーペンター氏は、次のように語っています。「当社のカリフォルニアのスタッフは、テキサス州のお客さまが同様の問題を解決したばかりだということを知っていました。そこでスウェージロック・テキサス・ミッドコーストと連携し、別のお客さまにも同様のソリューションを再現して提供することができたのです」

さて、その結果はどうなったでしょうか？その精製所では、時間遅れを短縮することで、オクタンのギブアウェイ・コストを6,000万ドルから1,600万ドルへと大幅に削減することができたのです。

カーペンター氏はこのようにも語っています。「どちらのプロジェクトでも、スウェージロックが世界中で培ってきた経験を基に提供する専門知識の深さと、スウェージロックのエンジニアリング・サービス専門スタッフがお客さまのために価値を創出するべく力を合わせて取り組んでいる姿勢がおわかりいただけると思います。私たちはテキサスで得た学びを応用し、そのソリューションを拡張することができました。まさにそれが大きな違いを生んでいるのです。私たちは、世界各地の精製所においてもこの種の課題を解決するべく、積極的に活動しています」

スウェージロックのエンジニアリング・サービス専門スタッフは、お客さまと日々連携し、世界各地で問題の特定および対処に取り組んでいます。こうした流体の取り扱いやサンプリングに詳しい専門スタッフが重大な問題の解決をサポートしてきた事例につきましては、スウェージロック・リファレンス・センターでご覧いただけます。また、流体システムやサンプリング・システムでよく見られる問題の回避法や対処法に関する豊富なアドバイスも紹介しています。施設での特定の課題を克服するためのサポートが必要ですか？現地の専門スタッフが支援します。

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