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システムの漏れを防ぐ:チューブの適切な前処理の重要性

チューブの前処理の質がシステムの性能を左右する

2019年11月18日 | Andrew Hitchcock、アソシエイト製品マネージャー、スウェージロック

どの精製所においても、非常に重要な接続部には、高品質なチューブと継手が採用されています。最適な接続部を実現するためには、材料タイプ、チューブ外径サイズ、肉厚、材料の特性、施設の仕様など、さまざまな要素を考慮することが求められます。

しかし、流体システムの正常なオペレーションにおいてこうした要素と同じくらい重要になるのは、接続作業において正確な手順を徹底することでしょう。不適切な取り付け作業は、チューブや継手に不具合が生じる最大要因のひとつです。また、安全で漏れがなく耐久性に優れた接続部を実現し、信頼性の高い流体システムを構築するには、継手を取り付ける前に、適切にチューブを取り扱い、前処理を施すことが絶対に欠かせません。

プラント全体にわたって接続部の質を高めるには、精製所のメンテナンス担当者に適切な情報とツールを提供し、知識、装備、意識を万全の状態に整えておくことが必要です。今回は、そのような取り組みを行う上で考慮すべきポイントを紹介します。

何がリスクなのか

流体システムに漏れが生じた場合、最も差し迫った問題となるのは、収益性の悪化やオペレーション効率の低下ではありません。大半の作業環境はもともと危険をはらんでいるものであり、そこで取り付け作業を誤ると、深刻なけがや事故につながるおそれがあります。低圧の水やエアーの漏れであれば大きなリスクはなく、単に効率性や利便性を低下させる要因と見なされることは珍しくありません。とはいっても、空気圧が失われることで、安全上重要なバルブが適切なタイミングで開かないといったトラブルが生じる可能性は否定できません。また、システムから危険性の高いガス(水素など)が漏れると、わずかな量でも深刻な事故につながるおそれがあります。危険性の高いガスや化学物質を必要とする製造工程は多く、危険だからといってプラントのオペレーションから排除するわけにはいきません。というわけで、特に生命の危険がある工程においては、それらを適切に封じ込めることが最重要課題となります。

安全上の懸念に加えて、チューブの前処理が不適切だったことが原因で漏れが生じると、生産性を大きく損なうことにもなります。この影響でシステム効率が低下し、オペレーションが水準を下回った状態が長引くほど、目に見えないところで利益が失われていくことになります。これ以外にも、漏れに伴う損失はさまざまな形で現れます。システムから化学物質やガスが漏れると、環境汚染のリスクが生じるだけでなく、原材料が浪費されることでコストも高くなります。見過ごされることが多い単純なエアー漏れも、その分余計な費用が機器の稼働にかかることになり、まったく損失が無いわけではありません。圧縮エアーが必要な場合、エアー・コンプレッサーをレンタルまたは購入することが多いと思いますが、漏れ部分の補修やチューブのセットアップの最適化を図ることで、機器の数やエネルギー・コストを抑えることが可能です。

流体システムの漏れに伴うコストは、顕在的な部分と潜在的な部分が混在していますが、不具合の一般的な原因を取り除くことが、いずれの回避にも役立つのは言うまでもありません。

漏れを発生させる一般的な原因

流体システムに漏れが発生する主な原因のひとつとして、チューブの不適切な前処理が挙げられます。例えば、チューブを直角に切断せずに端面が斜めになっていることなどもこれに該当します。また、切断後のバリ取りやヤスリがけが不十分で、チューブ端面にバリが残っていると、シール性能が低下するおそれがあります。金属チューブを金のこで切断した後、さらに端面にヤスリをかけるのは二度手間だと感じる方がいるかもしれません。しかしシステム障害のデータを見ると、こうしたわずかな手間を惜しんだことで問題が生じるケースが珍しくないのです。焦らずに時間をかけて チューブの適切な前処理と取り付けを行う ことで、後で問題が大きくなるのを防ぐことができます。

improperly deburred tubing

切断とバリ取りが適切に行われていないチューブ

properly deburred tubing

切断とバリ取りが適切に行われたチューブ

適切なツールを常備し、面倒がらずにそれらを使い分けることが、システムへのダメージを防ぎ、結局は流体システムの不具合を最小限に抑えることにつながります。コンポーネントの取り付けや流体システムの補修などで、最適なツールが使用されていないケースは少なくありません。例えば、直角でバリのない正確な切断が可能な専用ツール があるにもかかわらず、時短のためにそれらを使わない場合や、適切なチューブ・フェーシング・ツール(端面処理機)を使えばチューブ端面のバリを除去できるにもかかわらず、単にそのような機器を所有していない場合などです。ただ、適切なチューブ・カッティング・ツールやチューブ・バリ取り用ツールは簡単に入手できますし、コストがかさむ不具合を回避できることを考えれば、特別に高額な投資というわけでもありません。

前処理の手間を惜しんだことで流体システムの漏れが発生する場合、その原因には一般的に次の2種類があります:

  • チューブにスクラッチ傷、ひっかき傷、へこみがある(多くは不適切な取り扱いによる)。このような損傷は、不適切な取り扱いで生じるケースが大半です。例えば、長さ20フィートのチューブの端を掴んで収納ラックから引きずり出し、6フィート分を切り取り、残り14フィート分をラックに押し込んで戻したとします。このとき切断した端面にバリやスクラッチ傷があると、ラックに保管されているその他のチューブにスクラッチ傷が付きます。また、ラックから引きずり出した際にチューブの端が地面に当たれば簡単にへこみますし、引きずって移動させればスクラッチ傷が付きます。こうした損傷の有無をチューブ取り付けの前に確認するのは技術者の責任ですが、このような点検作業が省略されることは多く、ささいな損傷と判断されて気に留められないこともあります。
  • チューブが直角に切断されていない、端面がバリ取りされていない(不適切な前処理による)。これまで説明したように、流体システムを適切に構築する上で、チューブを適切に切断する作業がとても重要になります。切断作業で一般的に使われるのは、チューブ切断専用の金のこやツールです。これらのツールを使って適切に切断すれば、比較的簡単に直角な切断面にすることができます。問題の原因は、不適切なバリ取り作業によるものが大半を占めています。この作業には、 バリ取り専用のツール はもちろん、ヤスリなどが使われることもありますが、適切なツールが手元にない場合に、作業そのものが省略されたり、不適切な処理で終わったりすることがあります。

適切なトレーニングでチームのスキルアップを図る

チューブの前処理に起因する上記のような問題を回避するのは、それほど難しくはありません。流体システムの不具合や漏れを防ぐ上で、単純ながら非常に効果的なのは、チューブ継手の取り付けに関する適切なトレーニングをスタッフに受講させることです。例えば、スウェージロックが実施しているトレーニング では、各種チューブの詳しい取り扱い方法や検査手法を網羅しているため、適切な手順をスタッフに徹底させ、再作業や廃棄の削減につなげることができます。

チューブ継手トレーニングを受講する前に、次のことも留意してください。材料に応じた取り扱い方法とチューブの前処理の手順を組織全体で徹底的に検証することで、大半の問題は回避することができます。チューブ継手の適切な取り付け手順が守られているか、もし問題が見つかった場合はミーティングで指示すれば解決できるのか、それともスタッフとの個別面談が必要なのかなど、あれこれと分析してみることは、オペレーションの効率性と安全性をさらに高める第一歩となります。もちろんSwagelokチューブ継手トレーニングでも、こうしたテーマを定期的に取り上げています。

結局のところ、チューブの取り扱いと前処理の問題に対処しようとすると、いかに意識改革を促すかという課題に行き着きます。スタッフは、チューブをラックから引きずり出すことが後になって重大な問題を引き起こしかねないことに気づいていないだけかもしれません。であれば、トレーニングの受講は大いに役立つということになります。理解していただきたいのは、チューブ継手が適切に接続できるか否かはさまざまな要因に左右されますが、その中でも特に重要なのは、チューブを継手に挿入するための前処理を適切かつ十分に行うことです。

たとえ小さなミスであっても、安全性と効率性を大きく損なうおそれがあることがおわかりいただけたでしょうか。このような事態を防ぐため、チューブに適切な前処理を施してオペレーションを最適化する方法を、チーム全体に徹底させることをおすすめします。

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