導入事例:燃料電池システムを使用して水素モビリティに電力を供給する
水素モビリティの実現:スペクトロニック社が信頼性の高い燃料電池のイノベーションを生み出すまでの道のり
世界でクリーン・エネルギーや都市モビリティは急速に進化する中、先駆者としての地位を確立しているのがスペクトロニック社です。スペクトロニック社は、軽量自動車や自律移動型ロボット用の水素燃料電池システムを開発・活用するという使命の下、持続可能なモビリティ分野における可能性の限界を超え続けています。シンガポールを本拠地とする同社は、確実なパフォーマンスを発揮することはもちろん、エネルギーの未来を見据えたあらゆるソリューションにおいて重要な要素となる長期的な安全性および信頼性も実現するための技術を、10年以上にわたって磨き続けてきました。
しかしながら、技術の最先端におけるイノベーションには特有の課題が存在します。水素燃料電池用の流体システムを設計するのは、容易なことではありません。標準的なソリューションでは不十分で、市販の部品では過酷な環境において効率性と安全性の両方を実現するのに欠かせない厳密な要件を満たせないという可能性もあります。スペクトロニック社は、単なるベンダー以上の存在が必要であることを実感していました。つまり、同社のビジョンを確実かつ現実的なソリューションに変えるために 協働するパートナー が必要だったのです。
水素燃料電池システムの設計における課題を克服する
スペクトロニック社の目標は、水素燃料電池システムを創ること—しかも単に機能すればよいのではなく、効率的で精巧かつ安全なシステムが必要でした。しかし、水素システムは複雑な圧力/流量条件下で稼働させることから、その設計やインテグレーションには高レベルの精密さが求められます。従来の設計手法では不十分でした。
スペクトロニック社の最高執行責任者(COO)を務めるマウン・マウン・ザルリ氏は次のように語っています。「私たちは、ただ標準的な規範に従って物事を行うわけにはいきません。物事をより効果的かつ効率的に、そして上手く行いたいのです。そこで当社独自の要件を安全な形で具現化してくれるのがスウェージロックだったというわけです」
スペクトロニック社に必要だったのは、流体システムの設計の見直しをサポートできるパートナーでした。それは、継手やバルブを販売するだけでなく、真の意味での協働が可能な企業です。
協働して安全かつ効率的な水素燃料電池システムを創り出す
そこでスウェージロック・シンガポールの出番となったのです。高品質な流体システム製品および 手厚いエンジニアリング・サポート で知られるスウェージロック・シンガポールは、スペクトロニック社が必要としていた部品を提供したのはもちろんのこと、イノベーションの実現に欠かせない協力し合える環境づくりも行いました。
スウェージロック・シンガポールのエンジニアは、水素燃料システムの計画立案、設計、そしてあらゆる側面の精緻化という最も初期の段階から、スペクトロニック社のチームとの緊密な協働を進めていきました。スウェージロック・シンガポールは、スペクトロニック社独自のニーズやプロジェクトの目標を理解した上で、同社に合ったソリューションを提供することで、パフォーマンスおよび安全性の向上につなげることができました。
スウェージロック・シンガポールは、技術面で貢献しただけでなく、スペクトロニック社のチームの延長線上にある存在としての役割を果たしました。スペクトロニック社のメカニカル・エンジニアを務めるケネス・クエック氏は次のように語っています。「実際のところ、スウェージロックのエンジニアはさまざまな便宜を図ってくれました。建設的なフィードバックを提供したり、オープンに知識を共有したりしてくれたのです」
このようなオープンな精神からフィードバック・ループが生まれ、継続的改善が進みました。そしてスペクトロニック社のビジョンとスウェージロックの専門知識とが結合し、革新的で信頼性のある 最先端の水素システム の開発につながったのです。
部品だけでなくパートナーシップで水素モビリティを実現
協働が功を奏して水素システムの課題が解決したことで、スペクトロニック社とスウェージロック・シンガポールの関係が深まりました。スペクトロニック社がスウェージロック・シンガポールとの協働によって得た成果は、仕事をやり遂げたということだけでなく、それをはるかに超えるものでした。つまり、信頼、尊敬、そして継続的なサポートに根差した関係が生まれたのです。スウェージロック・シンガポールは、プロジェクト全体に携わることを何よりも大切にし、スペクトロニック社のチームと定期的に会合を持って設計について話し合い、課題の解決に取り組み、あらゆる段階でサポートを提供しました。
スウェージロック・シンガポールの営業担当マネジャーを務めるジェイソン・ネオは、次のように語っています。「お客さまが求めているのは、バルブや継手について話し合うだけでなく、問題について意見を交わし、解決に取り組むパートナーとしての存在なのです」このような積極的な関与が、重要な差別化要因となりました。
COOのマウン・マウン・ザルリ氏は次のように述べています。「スウェージロックは、製品レベルおよびサポート・レベルの両方において、信頼に足る存在であることを証明してくれました。スウェージロックとはさまざまな面で連携を深め、話し合いを重ねています。パートナーシップの精神の強さがここに表れていると思います」
水素モビリティに関するプロジェクトなどに関するサポートを見つける
スペクトロニック社とスウェージロック・シンガポールの協働は、深いパートナーシップを築くことでイノベーションを推進し、重要な成果を生むことができるということを示す絶好の例と言えるでしょう。両社は一致協力して、設計上の問題を解決しただけでなく、クリーン・モビリティの未来を形作るためのソリューションも生み出したのです。
安全かつ確実に、そして効率的にビジョンを実現する方法につきましては、最寄りのスウェージロック指定販売会社までお問い合わせください。
関連コラム
導入事例:燃料電池ソリューション
燃料電池バス144台を動かす燃料供給システムをLuxfer社が生み出した背景には、協業に対するスウェージロックの真摯な姿勢と、EC-79認定取得に向けた献身がありました。 今回は、スウェージロック・マンチェスターの質の高いサポートによってイノベーションを加速させた、Luxfer社の事例を紹介します。