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一般産業用ホースの交換: コア・チューブの材質に関する検討事項

一般産業用ホースの交換: コア・チューブの材質に関する検討事項

2019年6月17日 | Doug Nordstrom、製品シニア・マネージャー、ホース製品グループ

流体システムを安全かつ効率的に稼働させるには、その目的に合った一般産業用ホースを選定することが重要です。 適切でないホースを使用すると、プロセスがむしばまれるばかりでなく、作業者が危険にさらされたり、最終的には収益にまで悪影響を及ぼしたりしかねません。 また、エンジニアですら、事態が手遅れになって初めてホースに問題があることに気づくというのも珍しくないというのが現状です。

ホースの選定は、重要であるにもかかわらず、ないがしろにされているケースは少なくありません。 しかし一般産業用ホースは、適切に選定すれば価格以上の価値を生み出してくれます。 それには、温度、システム流体との適合性、ドレン性、圧力と流量の要件など、アプリケーションに関するさまざまな要素を十分に検討することが必要です。

今回は、一般産業用ホースの最も内側の層にあるコア・チューブに使用されている各種材質の特徴と、コア・チューブに基づいて適切なホースを選定する方法を紹介します。

コア・チューブ材質の選定時に確認しておくポイント

コア・チューブの材質を選定するにあたっては、あらかじめ次のポイントを確認してください。 不明な点があれば、メーカーの製品カタログを参照するか、スウェージロック指定販売会社までお問い合わせください。

  1. コア・チューブ材質とシステム流体が化学的に適合しているか。 経年によりコア・チューブ材質の腐食や劣化が生じるおそれがないか。
  2. コア・チューブ材質がシステム流体の使用温度範囲に対応しているか。
  3. コア・チューブ材質が、透過や浸透を防止または抑制することが可能か(アプリケーションによっては、透過や浸透が問題にならない場合があります)。
  4. コア・チューブ材質がシステム洗浄手順に耐えられるか。 洗浄時の温度や圧力、溶剤や洗浄剤との適合性についても確認が必要です。

コア・チューブ材質の種類

メタル

利点
メタル・コア・チューブ(通常は316Lステンレス鋼)は、一般的な流体システムに適合します。 一般的な使用温度範囲は-200~454°Cで、システム流体が非常に高温になる場合は、メタル・コアが特に適しています。 透過や浸透が許容されない場合は、ホースではなくフレキシブル・メタル・チューブも適しています。

欠点
フルオロポリマーが登場して以来、腐食が懸念されるメタル・コア・チューブが高腐食性、強酸性のシステム流体に選定されることは無くなりました。 また、メタル・コア・チューブは疲労破壊に弱いため、動きや振動が繰り返し伴うオペレーションには向いていません。

シリコーン

利点
シリコーン・コア・チューブは柔軟性と清浄性に優れているため、サニタリー・アプリケーション向けの材質として普及しています。 シリコーンの一般的な使用温度範囲は-53~315°Cです。

欠点
シリコーンは吸着性が高いため、ホースのコンタミネーションの原因となります。 コア・チューブ内面に吸着して一定期間残留した流体が、その後の流体に漏れ出すことで、コンタミネーションが発生します。 蒸気洗浄は一般的な滅菌手法ですが、蒸気洗浄では吸着した流体を完全には除去できない場合がある上、シリコーン・コア・チューブは蒸気洗浄によってダメージを受けやすいことに注意してください。

また、シリコーンと適合する溶剤が非常に少ない点や、シリコーンの耐薬品性が限定的である点にも注意が必要です。 さらに、高温が原因でシリコーンが早期に劣化し、ホースが脆くなって破損するおそれもあります。

フルオロポリマー

利点
フルオロポリマー・コア・チューブは現在広く普及しており、特にサニタリー・アプリケーションではシリコーンに代わる材質として急速に採用が進んでいます。 代表的なフルオロポリマーにはPTFE、PFA、FEPの3種類があり、一般的な使用温度範囲は-53~230°Cです。

現在利用可能なコア・チューブの中で最も化学的に不活性なのはフルオロポリマー・コア・チューブです。 経年変化がなく、非粘着性で、洗浄しやすく、蒸気洗浄を繰り返し行っても耐久性が変わりません。 メタル・コア・チューブと同様に吸着性が低いのもフルオロポリマーの特性です。

さらに最新技術によって、シリコーン・コア・チューブに匹敵する柔軟性も生まれています。 これは、新たな接着技術によりファイバーグラス製ブレードを追加して柔軟性をさらに高めています。 この工程では接着剤を使用していないため、接着剤がコア・チューブ内面に吸着してコンタミネーションが生じる可能性がありません。

欠点
透過への耐性という点では、フルオロポリマー・コア・チューブはメタル・コア・チューブ に劣っています。 透過が許容されないアプリケーションの場合は、より透過性が低いコア・チューブ材質(メタルなど)を検討してください。

流体がフルオロポリマー・コア・チューブを通過する際に、静電気が生じる場合があります。 この静電気が原因でホースが損傷し、安全性が低下するおそれがあります。 静電気の帯電防止が必要なプロセスでは、カーボン・ブラック含浸のコア・チューブを指定してください。 カーボンが静電気をエンド・コネクションまで伝え、確実に逃してくれます。

サーモプラスチック(熱可塑性プラスチック)(ナイロン)

利点
サーモプラスチック(ナイロン)・コア・チューブは、油圧アプリケーションで広く使用されています。 高圧への耐性にも優れ、一般的な使用温度範囲は-40~93°Cです。 サーモプラスチック・コア・チューブの最大外径サイズは1 インチで、コスト・パフォーマンスが良い汎用ホースです。また、メタル・コア・チューブやフルオロポリマー・コア・チューブのホースに比べて、圧力インパルスへの耐性に優れています。

欠点
サーモプラスチック・コア・チューブ は、材質が柔らかく多孔質のため、透過性が非常に高くなります。 また、大半のコア・チューブ材質に比べると使用温度範囲は狭くなります。

ゴム

利点
ゴム・コア・チューブ は、コスト・パフォーマンスと汎用性に優れ、一般的な使用温度範囲はサーモプラスチックと同等です。 ゴム・コア・チューブ には、つぶれてもダメージが残らない、取り付けの際に特殊な工具をほぼ必要としないといった特長があります。 また、外径サイズが2 インチを超えるものもあり、他のコア・チューブ材質よりも大きなサイズに対応可能です。

欠点
ゴム・コア・チューブは、低圧用途以外には向いていません。 また、その他の材質に比べると短期間で外見が劣化します。

コア・チューブ内面の構造

一般産業用ホースのコア・チューブの材質を最終決定する前に、コア・チューブ内面の構造を理解しておきましょう。 コア・チューブ内面は、スムーズなタイプにするか、曲がるストローのようなコンボルーティッド(ベローズ)・タイプのいずれかを選ぶことができます。 選定するにあたっては、アプリケーションにおけるホースの曲げ要件のほか、圧力、流量、ドレン性の要件を考慮してください。

スムーズボア

利点
スムーズボア・コアのチューブは、内面に凹凸がありません。 スムーズボアは、上記で紹介したメタル以外のすべてのコア・チューブ材質で選定することができます。 流れを遮るような凹凸が無いため、正確な流量調節を重視する場合は、スムーズボアを選定してください。 また、スムーズボア・コアのチューブはドレン性にも優れています。

欠点
スムーズボアの欠点は、つぶれやすいところです(特に外径が大きい場合)。 大抵の場合は、補強材を使用することでつぶれを防止することが可能です。

コンボルーティッド(ベローズ)

利点
コンボルーティッド・コア・チューブの場合、チューブ内面が一定のパターンでひだ状になっているため、曲げやすくつぶれにくいのが特徴です。 コンボルーティッドは、メタル・コア・チューブとフルオロポリマー・コア・チューブで選定できます。

コンボルーティッド・コア・チューブには、らせん状と同心円状の2タイプがあります。 主にフルオロポリマー・コア・チューブに多いらせん状タイプでは、1つの渦巻きがホースの始点から終点までつながっています。 流体が下流にスムーズに流れるため、ドレン性と柔軟性の両方を求める場合は、らせん状タイプが最適です。 一方、メタル・コア・チューブに多い同心円状タイプは、円環が連続しています。 同心円状タイプのメタル・コア・チューブは、ひだが大きいため、柔軟性が非常に優れているのが特長です。

欠点
一定のパターンで繰り返し動くようなオペレーションではフレキシブル・メタル・チューブは適していません。動きがあると疲労して破損が生じるためです。

さまざまなアプリケーションに適した一般産業用ホースの選定方法についてさらに詳しく知りたい場合は、スウェージロック基本セミナーの「ホース基本コース」の受講をご検討ください。信頼性に優れた流体システムを設計、構築、維持する方法について学ぶことができます。

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