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流体システム/サンプリング・システムの性能に関する問題を考える

スウェージロックのフィールド・エンジニアリング

流体システム/サンプリング・システムの性能に関する問題を考える

Phil Mathews、テクニカル・サービス・ディレクター、スウェージロック・ロサンゼルス

一般産業用流体システム/サンプリング・システムの目標は、主に6つあります。そのうち3つは分析面の目標で、残り3つは運用面の目標です。分析面の目標は、① サンプルが分析器に適合していること、② サンプルをタイムリーに採取し、その分析結果に基づいた対応が可能であること、③ サンプルがプロセスの状態を正しく表していることです。運用面の目標は、流体システムの信頼性・コスト効率性・安全性の3つです。これらの目標を達成できるかどうかは、設計の完成度に加えて、一見取るに足らないように見えるものの、性能に影響を及ぼす可能性のある要因を考慮しているか否かで決まります。

「一見取るに足らないようなもの」とは何を指すのでしょうか。一般産業用システムは、チューブ、チューブ継手、バルブ、圧力計など、数え切れないほど多くのコンポーネントで構成されていますが、その一つひとつが不具合を起こす可能性を抱えています。ひとつのコンポーネントの選定を誤っただけで、運用効率や製品品質が低下するばかりか、最悪の場合は作業者の安全を脅かすことにもなりかねません。また、すべてのコンポーネントを正しく選定していたとしても、現場で実際にシステムを稼働させてみると、サンプルの精度や最終製品の品質に影響を与える要因が生じてくることもあります。

これを踏まえて、流体システム/サンプリング・システムの性能に影響を与える要因のうち、重要なものを紹介します:

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サンプル測定では材質が重要である: プロセス流体のサンプリングで必要なのは、サンプルが分析器に適合していること、サンプルをタイムリーに採取し、その分析結果に基づいた対応が可能であること、プロセスの状態を正しく表すサンプルから有意義な分析結果を得ることです。製品の仕様に合わせて最先端のプロセス分析器を取り付けたとしても、分析器に導入するサンプルが上記の3つの目標を実現していなければ、最先端のプロセス分析器も意味はありません。そして、サンプルの質は、サンプリング・システムの性能に左右されます。

メインのプロセス・ラインから分析器に至るまでには、サンプルとその精度または有用性に悪影響を及ぼすような要因が複数存在します。これらの要因すべてが安全上の潜在リスクに直結するわけではありませんが、不要なダウンタイム(停止時間)が生じる、または仕様を満たすサンプルが得られなかったり、既知のプロセス変更によるサンプルの変化を捉えられなかったりといった問題で、オペレーターを悩ませる原因になる可能性は否定できません。

スウェージロックのスタッフが現場で数多く遭遇してきたのが、アプリケーションに適合しない材質のホースが使用されている問題です。例えば、非常に小さな分子から成るプロセス・ガス(ヘリウム、水素、さらに二酸化炭素でさえも)は、フルオロポリマーを透過します。正しい測定値が得られないケースでは、単にアプリケーションに適していないテフロン®・ホースが使用されているがために、サンプルの代表性に影響を及ぼしているということも珍しくありません。これと同様の問題に、吸着が挙げられます。分析対象のシステム流体がチューブやホースの内壁に物理的に付着することで、プロセスの状態を正しく表すサンプルが得られなくなり、分析器の測定エラーにつながっているケースが見られます。

このような問題を抱えたシステムでは、たとえプロセス流体自体が仕様に完全に適合していたとしても、プロセスの状態を正しく表すサンプルを得るには、大掛かりなトラブルシューティングを何度も行わざるを得ない場合もあります。精度の低下を防止するには、サンプリング・システムで使用しているすべてのホースが、システム流体およびアプリケーションと完全に適合していることを確認してください。

適切なコンポーネントを選定し、できる限りシンプルにする: 大半の流体システムでは、仕様を満たすため、または相変化を防止するため、一定の圧力や温度に維持する必要があります。一方、流体がシステムを移動する間に、圧力損失や熱伝達が必ず発生します。そのため、何らかの対策を講じて圧力を適切なレベルに維持する必要があります。

圧力損失を完全に防ぐことはできませんが、ベスト・プラクティスに従うことで、最小限に抑えることは可能です。例えば、システムをむやみに複雑化することなく理想的な圧力を維持するには、適切な配管サイズを決定し、適切なバルブを選択することが必要です。サンプリング用ポンプといった補完的な手段で目標圧力を維持しているような不適切な設計のシステムでは、本来は不要なはずのメンテナンス作業を余儀なくされる例は珍しくありません。

しかしながら、なぜ不要なポンプを追加するのでしょうか?補完的な圧力ポンプを1つ追加した分、流体システムは複雑になります。つまり、動力電源、定期的なメンテナンスでの点検、故障に備えて交換用部品が必要となるコンポーネントがひとつ増えることになるのですから。あらかじめ十分な時間をかけてシステム全体を検討し、適切なバルブを特定して(手元になければ注文して)置き換えることで、システム全体の性能と効率性は飛躍的に向上します。

適切な圧力と温度を維持する: 温度も圧力と同様に、相変化の重要な要素であり、流体システム/サンプリング・システム全体においてさまざまな要因の影響を受けます。このため、システム全体で適切な温度を維持するには、特に注意を払う必要があります。

ガス・プロセス・ラインからサンプルを採取するケースを考えてみましょう。高温のガスは、適切な処置を行っていないと温度が急速に低下し、凝縮により液化することがあります。このため、メイン・システムにおけるプロセス・サンプルの採取ポイントから分析器に至るすべての経路において、温度および圧力を適切に管理していなかった場合、サンプルが変質するおそれがあります。このような状況は、いとも簡単に発生するものです。チューブに断熱されていない部分や、加熱が不適切な部分がわずか30センチ程度存在するだけでも、ガスの温度が大幅に低下して気液混合状態となり、サンプルの代表性や有用性が失われてしまうことにもなりかねません。

中には、液化対策として、コアレッサやノックアウト・ポットをサンプリング・システムに追加して液体を除去しようとする技術者もいますが、これは必ずしもベスト・プラクティスとは言えないばかりか、サンプルの有用性をさらに損なう可能性すらあります。このような場合、まず必要なのは、すべてのチューブを確実に断熱または加熱して凝縮を防止することです。

流体システム/サンプリング・システムを最適化する方法につきましては、最寄りのスウェージロック指定販売会社までお問い合わせください。スウェージロックの専門スタッフによる流体/サンプリング・システムの評価サービスを紹介させていただきます。

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