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ガス・グラブ・サンプリングでプロセスの状態を正しく表すサンプルを安全に採取するために

ガスや揮発性液体のサンプリングにおけるベスト・プラクティス

Matt Dixon、上級主席設計エンジニア、スウェージロック

化学処理のコストを最適化し、高品質な製品の生産量を維持するには、プロセスの状態を正しく表すサンプルを定期的に採取し、分析室に移送して分析を行う必要があります。 グラブ・サンプリング(別名:スポット・サンプリング、ラボ・サンプリング、フィールド・サンプリング、または単にサンプリング)を行うと、プロセスの状態を検証し、作っている製品が社内または顧客ベースの仕様に適合しているかを確認することができます。また、グラブ・サンプリングによって、オンライン分析器 の読み取り値を検証することも可能になります。これは、プロセスの状態をリアルタイムで把握する方法として、急速に普及しつつあります。

ガス・グラブ・サンプリングでプロセスの正確な状態を把握するには、特有の課題を克服する必要があります。今回はこうした課題について、そして適切な技術で課題を克服する方法を紹介します。

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サンプリングの基本ルール

ガスや揮発性液体は、相変化が生じない温度および圧力で採取/維持してください。相変化が生じると、サンプルの組成が変化するおそれがあるためです。以下のルールに留意してください:

  1. サンプルは、プロセスの状態を正しく表していること。プローブを使用して、プロセス配管の中心付近からサンプルを採取してください。また、サンプルを移送する際は、相を変化させないように注意してください。
  2. タイムリーなサンプルであること。採取したサンプルを分析室まで最短時間で運ぶことで、サンプルが表しているプロセスの状態を正しく維持することができます。
  3. サンプルに不純物が混じっていないこと。サンプル容器の上流にたまり部が存在することのないように注意してください。さらに、サンプリング・システムのパージや洗浄を適切に行い、コンタミネーションが生じるリスクを最小限に抑えてください。
  4. サンプリングが安全に行えること。グラブ・サンプリングでは、オペレーターがプロセス流体を扱うことになります。もしオペレーターがプロセス流体に直接触れるようなことがあれば、事故につながりかねません。このため、ベスト・プラクティスに従い、優れた設計のサンプリング・システムを使用することが、サンプルの精度だけでなく、オペレーターの安全確保にも不可欠です。

ガスや揮発性液体のサンプルを採取する際は、非揮発性液体のサンプリングとは異なる点に留意する必要があります。今回のコラム記事では、ガスおよび揮発性液体のサンプリングを重点的に取り上げます。不揮発性液体のサンプリング方法につきましては、コラム記事「 コストを管理するための液体グラブ・サンプリング手順 」をご覧ください。


適切なボンベの選定方法

ガスや揮発性流体は相変化の影響を受けやすいため、正確な分析を行うには、一定の圧力に維持する必要があります。そのため、非耐圧の安価なサンプリング用ボトルではなく、 試料採取用ボンベ を用いて採取し、プロセスの状態を正しく表しているサンプルを維持する必要があります。ガス試料採取用ボンベは、有毒ガスのヒュームや排気ガスから サンプリング担当者や環境を保護する上でも非常に効果的です。

ガスや揮発性の液体は相変化の影響を受けやすいため、
試料採取用ボンベの使用が欠かせません。


試料採取用ボンベの大半は、シームレス・チューブから製造されているため、肉厚、サイズ、容量が均一であるものの、 個々のサンプリングのニーズに基づいて、変数を考慮する必要があります。適切なタイプのボンベを選定するには、ボンベのサプライヤーに相談することをおすすめします。

ボンベを選定する際は、以下の点を考慮してください:

  • 操作が容易なクイック・コネクツを使用すると、サンプリング・ポイントでの着脱を効率的かつ安全に行うことができます。
  • ネック内部の流路がスムーズなボンベであれば、流体のたまり部が生じることなく、クリーニングや再利用を容易に行うことができます。
  • 過圧保護を行うことで、オペレーターの安全性を高めることができます。ラプチャーや圧力逃がし弁は、分岐接続されているか、ボンベのメイン・バルブと一体になっています。
  • 適切な材料組成と仕上げが求められます。サンプリング対象のガスや揮発性液体によっては、特殊な合金や材料が必要な場合もあります。
  • バイバス・ラインが内蔵されていれば、残留している有毒なサンプルをパージすることで、作業者の安全を守ることができます。バイパス・ラインを設けると、パージ用流体がクイック・コネクツを通って流れるため、ボンベを取り外した際に流出する流体は、有毒なサンプルではなく、パージ用流体ということになります。
  • 耐久性に優れた設計と構造が必要です。分析室での分析を行うため、試料採取用ボンベで相当な距離を移送するケースが少なくないためです。

ボンベの適切な充填方法

一部のケースを除き、試料採取用ボンベを縦に置いて充填してください。これには以下のような理由があります。

揮発性液体のサンプリングを行う場合は、ボンベの底部から上向きに充填するのがベストです。上向きに充填することで、ボンベ内にガスが溜まっていたとしても、上部から排出されるためです(通常はアウテージ・チューブを介して)。また、アウテージ・チューブを使用すると、ボンベ内にある程度のベーパー・スペース(気化スペース)を確保することができます。ベーパー・スペースが不足していると、不測の温度変化が生じた場合にボンベが破裂するおそれがあります。逆に、ガスのサンプリングを行う場合は、ボンベの上部から下向きに充填してください。これでライン内に結露が生じていたとしても、底部から排出させることができます。

試料採取用ボンベのメンテナンス方法

一般的な産業用装置と同様に、試料採取用ボンベにも通常のオペレーションによる摩耗や損傷が生じることが少なくありません。ボンベに損傷や不具合が存在すると、スタッフが危険にさらされたり、サンプリングの精度や信頼性が損なわれたりするおそれがあります。そのため、サンプリングを中心とするオペレーションでは、試料採取用ボンベのメンテナンスを定期的かつ積極的に行うことが必須です。すべての試料採取用ボンベには、最低でも年1回の検査と圧力試験が欠かせません。また、5年ごとに再認証を受ける必要があります。

しかし、次回の検査までに損傷が生じることもあります。以下のような問題がよく見られるため、ご注意ください:

  • バルブやクイック・コネクツといった主要部品からの漏れ
  • サンプルとの適合性に起因する腐食
  • 内面の状態、吸収
  • 部品の取り付けミス

試料採取用ボンベのメンテナンス計画の策定方法を見る

人為的なミスを最小限に抑える方法

グラブ・サンプリングには、プロセスからサンプルを物理的に採取する作業者が必然的に関与することになります。これが、プロセスにおける人為的なミスの本質的な誘因です。幸いにも、このようなミスを最小限に抑える方法があります。

ドキュメンテーション:グラブ・サンプリング・パネルには、文字を刻印したプレートを取り付けることができます。このプレートに、パネルの操作方法や、必要に応じて交換用部品の注文方法などを記しておくと便利です。操作方法を明示しておくことで、これまでパネルを操作した経験がない作業者でも、容易にサンプルを採取することが可能です。また、部品を明記しておくと、迷うことなく必要な部品をサプライヤーに伝えることができます。

簡素化:グラブ・サンプリング・システムは、容易かつ直感的に操作することができるため、人為的なミスの発生をさらに低減することが可能です。例えば、ガス・サンプリング専用のグラブ・サンプリング・パネルであれば、常にボンベを正しい向きに維持し、上部からのサンプル採取を確実に行うことができます。先に述べたように、これで作業者がサンプルを不適切に挿入したり、採取したりするおそれがなくなります。揮発性液体のサンプリング専用パネルについても同様です。

ギア付きバルブ・アセンブリーを使用することで、
サンプル採取の作業を標準化することができます。


その他の場所では、ギア付きバルブ・アセンブリーを使用することで、サンプル採取の作業を標準化することができます。これでバルブの煩雑な操作がなくなるため、安全にサンプルを採取することができます。ギア付きバルブ・アセンブリーには、パージ機能を組み込むことも可能です。これで、人為的なミスでパージした流体がメイン・プロセスに再流入することはありません。

自動化:サンプル採取を自動化すると、初期費用こそ高くなるもの、人為的なミスをさらに削減することができます。自動化したパネルでは、エンクロージャーのドアが正しく閉じられ、バルブが正しい順序で開状態になり、製品やパージの流量および圧力を正確に維持することができます。これは、一般的にグラブ・サンプリング・パネルをプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)またはプラント制御システムに接続して制御します。接続を行う個所につきましては、必ず危険エリアの要件を確認してください。

結局のところ、グラブ・サンプリングは、高品質かつ仕様に適合した製品を確実に提供できるようなプロセスでなくてはなりません。施設全体で、取り扱いが容易で優れた設計のグラブ・サンプリング・システムを選定し、確立されたベスト・プラクティスに従うことで、この目標を達成することができるのです。

施設でグラブ・サンプリングを適切に行う詳しい方法に興味がございますか?スウェージロックの専門スタッフが、お客さまのグラブ・サンプリングのニーズを評価し、最適なシステムを選定するお手伝いをいたします。

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