腐食とその発生メカニズム
冶金学の上級研究員であるバディ・ダムが、腐食とは何か、そして海洋石油/ガス・プラットフォームにおける腐食の発生メカニズムを説明します。
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ベス・ニーザー:
「Ask Swagelok」へようこそ。本日は私ベス・ニーザーと、スウェージロック冶金上級研究員のバディ・ダムがお届けします。今回は海洋のオイル/ガス用途における腐食についてお聞きします。
ベス・ニーザー:
バディ、腐食とその原因について教えてくれますか?
バディ・ダム:
腐食は電気化学反応によって生じる現象です。つまり金属から電子が失われて、金属自体が化学的に反応します。専門家はこれを表すのに2種類の半電池反応という言葉を用います。腐食環境により金属が電子の一部を失うのが酸化と呼ばれる現象です。失われた電子は金属を通って特定の場所に運ばれ、還元反応が起こります。この2つをまとめて酸化還元反応といいます。
腐食では最終的に材料の消費―つまり金属の消費が起こるため、金属が薄くなって耐圧性が失われたり、孔食、割れ、すき間腐食が発生したりします。いずれも機械的性能を低下させるおそれがあります。
ベス・ニーザー:
では海洋プラットフォーム環境で一般的な腐食問題について教えてください。
バディ・ダム:
海洋用途における腐食のタイプは大きく2種類に分けることができます。内面腐食と外面腐食です。外面腐食は部品が海洋環境にさらされることで発生します。つまり海水と波しぶきです。プラットフォーム上には製造工程からの腐食性元素や腐食性化合物も存在します。さらに乾燥と湿潤を繰り返す可能性もあります。濡れると比較的低濃度になりますが、水分が蒸発すると液体中の腐食性元素や腐食性化合物やイオンの濃度が高くなることで環境は過酷になります。
そのほかにフレッチング腐食が生じることが考えられます。これは2つの部品が擦れ合うことで通常は摩耗が生じますが、腐食環境によってそれが加速します。またプラットフォームの振動や揺れが原因で部品に繰り返し荷重が加わり、疲労につながる場合があります。腐食環境では腐食と疲労が同時に作用することで、疲労が加速度的に進行する可能性もあります。
ベス・ニーザー:
なるほど。では内面腐食についてはどうですか?
バディ・ダム:
内面的には地中から炭化水素を取り出す際に、坑井には幅広い化合物が含まれている可能性があります。一概には言えませんが、硫化水素や二酸化炭素といった酸性度が非常に高い化合物です。坑井の掘削深度が深くなるほど圧力も温度も高くなり、環境は過酷になります。坑井では圧力を封じ込めて地中深くから材料を取り出しています。そして圧力封じ込めによる応力が加わることで、こうした複雑な環境において環境助長割れの原因となるのです。
ベス・ニーザー:
わかりました。ありがとうございます。ご視聴ありがとうございました。