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水素用途に適した継手の構造

燃料電池テクノロジー

燃料電池テクノロジー用の継手に求められる4つの特性

Chuck Hayes、新製品開発主任エンジニア

安全で信頼性が高く、漏れのない燃料電池自動車やインフラを開発するにあたって、非常に手ごわい課題となるのは、水素そのものの性質であると言っても過言ではありません。

水素は低分子ガスです。わずかなすき間からでも容易に漏れ出し、材料内に拡散することがあります。また、自動車産業をはじめとする輸送市場では、70.0 MPaを超える圧力で水素を貯蔵し、車両に必要なエネルギー密度を実現することが必要です。燃料補給ステーションでは、熱や圧力の急激な変化によってシステムが悪影響を受ける可能性があります。貯蔵タンクから水素が出る際に、圧力が下がるためです。

こういったことからも、高圧水素燃料システムの重要な部分をつなぐ継手のパフォーマンスに妥協が許されないのは明らかです。燃料電池テクノロジー用の継手 には、長期的な信頼性の維持に欠かせない、重要な特性が求められます。水素アプリケーションでは、専ら従来型のコーン&スレッド継手が使用されてきましたが、今日ではさらに高性能なオプションが存在します。今回は、水素テクノロジーにおいて理想的なパフォーマンスを発揮するのに必要な継手の設計特性を紹介します:

燃料電池用継手の場合、ガス・シール性と耐リーク性が極めて重要なパフォーマンス基準となります。
信頼性の高いガス・シール
チューブに沿った接触部と継手ボディに沿った接触部の2つのゾーンで、優れたシール特性を実現しています。
燃料電池用継手の優れたシール性

優れたシール性

水素はわずかなすき間からでも漏れ出ることがあるため、ガス・シール性と耐リーク性は、継手の最も重要なパフォーマンス基準と言えるでしょう。

従来のチューブの接続方法は、ライン状の狭い面でシールする線シールが大半です。線シールでも、大半の流体や一部のガスの場合は問題ありませんが、水素のようにわずかな欠陥も許されないような流体の場合は、一旦オペレーションを開始すると問題につながるおそれがあります。また、振動が存在する場合も、線でシールするのは容易なことではありません。

水素を封じ込めるには、広いシール面を形成する面シールを設計しましょう。コンタクト面にはわずかに角度をつけて最適な応力レベルを生み出すことで、妥協のないシール性を維持する必要があります。2個のフェルールを使用した特定のチューブ継手であれば、このようなシール性を発揮することが可能です。

燃料電池用継手のグリップ強度

グリップの強度

継手がチューブをグリップする強度も、水素補給に必要な高圧や、走行中の車内で発生する大きな振動にも耐える上で重要なパフォーマンス特性です。

比類の無い耐振性
Swagelok FKシリーズ継手は、2個のフェルールおよびヒンジ・コレット機能を採用したことで、振動と負荷の高い環境でもグリップ力を維持します。
Swagelok FKシリーズ継手は、振動負荷の高い環境下でもグリップ力を維持します。
最高105 MPaの圧力にも耐えるグリップ性能
低温表面硬化処理を施したフェルールを採用したことで、車載用および燃料補給の両インフラにおいて、水素貯蔵で想定される高圧にも対応します。

2個のフェルールを使用したメカニカル・グリップ構造は、強力にチューブをグリップすることが求められる継手にとって理想的な設計と言えます。硬化処理を施したフロント・フェルールが物理的にチューブを絞り込むことで、非常に高い圧力に対応することが可能になります。一方、独自設計のバック・フェルールは、グリップ力を維持しながらも、継手がわずかに動く(「スプリング・バック」)ことができます。このような設計によって優れた耐振性が実現するため、コンプレッサーや動的条件によって大きな振動が発生する車載オペレーションと燃料補給インフラの両方にとって理想的なのです。

2個のフェルールを使用したメカニカル・グリップ構造によってスプリング・バックが可能になることで、継手は材料の膨張や収縮につながりかねない急激な熱変化にも耐えることができます。燃料補給中には、水素ガスの温度が-50ºCから周囲温度まで変化することもあり、従来のコーン&スレッド継手ではパフォーマンスに問題が生じることも少なくありません。

燃料電池用継手のシンプルな取り付け

容易な取り付け

適切な継手設計は、信頼性の高いパフォーマンスの実現には欠かせません。また、燃料電池自動車のOEMや水素インフラの開発者にとっては、取り付けや組み立ての効率化にもつながります。

Swagelok® FKシリーズ継手は、従来のコーン&スレッド継手おりも素早く取り付けられます。
取り付け時間を1/5に短縮 
革新的な設計を採用したことで、従来のコーン&スレッド継手よりも迅速に取り付けることが可能です。部品装着カートリッジが付いているため、一般的なツールを使用して、最低限のトレーニングを受けるだけで、取り付けることができます。

一部のメカニカル・グリップ構造の継手は、部品装着カートリッジが付いています。これで一般的なツールを使用して、最低限のトレーニングを受けるだけで迅速かつミスのない取り付けを行うことができます。水素補給システムで昔から使用されてきた従来のコーン&スレッド継手と比較すると、Swagelok® FKシリーズ継手 に採用されているような革新的な設計であれば、取り付けや組み立ての際に大きなメリットが得られます。

コーン&スレッド継手で信頼性の高い接続を実現するには、特殊な装置と高レベルの取り付けスキルが必要になる上、Swagelok FKシリーズに比べて組み立てとテストに5倍もの時間を要することも珍しくありません。自動車の製造にはスピードが求められており、水素インフラの規模が拡大するにつれ、取り付けの容易さが重要になってきます。適切な継手テクノロジーであれば、その両方を実現することが可能です。

 

燃料電池用継手の材料の完全性

材料の完全性

チューブ継手を高い信頼性で機能させるには、アプリケーションを問わず腐食対策が重要です。流体によって金属原子が酸化すると腐食が生じ、金属表面から材料が失われます。こうして部品の肉厚が減少し、機械的な不具合が生じやすくなります。水素輸送アプリケーションでは、車載ポンプと燃料補給ポンプの両方は常に過酷な気候条件にさらされることになるため、構成部品とその材質がシステムの寿命を通して腐食に耐えられるかが特に重要となります。

クロムとニッケルを多く含む材料を使用することで、腐食および水素ぜい性に対する耐性を高めています。さらに、水素分子はステンレス鋼の表面に吸収され、個々の原子が分裂することがあります。水素原子の直径は極めて小さいため、それよりもはるかに大きな鉄、ニッケル、クロム、モリブデンの原子で形成されるオーステナイト結晶格子内に拡散します。316/316Lステンレス鋼内への拡散は非常にゆっくりとしたものですが、高圧下で長期間さらされると、大量の水素原子が格子内に蓄積することがあります。この現象は、水素ぜい性として知られています。水素原子は高濃度で存在しても、316/316Lステンレス鋼の強度にはさほど悪影響を与えません。しかし、部品に疲労亀裂が存在すると、水素原子によって亀裂が進行します。低性能の合金は、長期的に見てこの種の問題による影響を受けやすい可能性があります。

流体システム部品に含まれるクロムとニッケルの量を増やすことで、重要な部品の延性を高めて、一般的な腐食や水素ぜい性に対する耐性を強化することができます。米国材料試験協会(ASTM)は、316ステンレス鋼のニッケル含有量を10%以上にするよう求めています。しかし、12%以上のニッケルを含む高品質の316ステンレス鋼であれば、水素特有の問題に対処できることがわかっています。

チェックマーク

水素システムのニーズに応える

水素燃料システムに使用可能な圧縮チューブ継手やその他のタイプの継手は各種存在するものの、水素アプリケーションに求められているユニークなパフォーマンス要求を満たしている継手はごく一部であると言わざるを得ません。

Swagelok FKシリーズ継手 は違います。特許取得済みの設計を採用しており、EC-79およびEIHP認証を取得したFKシリーズ継手(最高使用圧力:105 MPa)は、水素アプリケーションでの使用を想定した製品です。12%以上のニッケルを含む316ステンレス鋼を使用しており、発売以来さまざまな産業やアプリケーションで使用されてきましたが、今日はもちろん未来の自動車やインフラにとっても最適な選択肢であることに変わりありません。

長期にわたって水素輸送を実現できるかは、安全性、信頼性、耐久性に優れた燃料電池自動車とインフラにかかっています。重要なシステムに適切な部品を選択し、指定することで、これらの目標を達成することができるのです。 詳細につきましては、スウェージロック指定販売会社までお問い合わせください。お客さまの輸送ニーズにどのようにお応えできるかを説明いたします。

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