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水素の信頼性向上を実現する部品


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FKシリーズ継手のナット&フェルール・セット水素が クリーン・エネルギー ・ソリューションとしての潜在能力を最大限に発揮できるか否かはさまざまな要因に左右されますが、特に重要となるのは製造から移送、供給に至るまでの信頼性の高い封止です。その信頼性は、以下に示す2つの大きな課題の克服にかかっています:

  • サイズ:水素は自然界に存在する最も小さな分子であるがゆえに、インフラの設計時には特有の課題が存在します。水素は接続部のわずかなすき間からでも漏れ出し、安全上の懸念につながりかねません。さらに、水素原子が金属中に拡散すると、水素ぜい性 や水素誘起割れといった現象が生じるおそれがあります。
  • 高圧貯蔵要件:従来の部品では対応できない高い封止圧力(87.5 MPa)が求められるため、高パフォーマンスな部品が欠かせません*。また、流体の移送中に圧力が変化して極端な温度変化が生じる可能性もあるため、封止材料には非常に優れた品質が求められます。
    *日本国内での使用事例につきましては、スウェージロック指定販売会社までお問い合わせください。

水素用継手ソリューション(クリーン・エネルギー・システム向け)

水素アプリケーション向けに最適化されたチューブ継手 を使用することで、信頼性の高いソリューションを得ることができます。こうした継手は、シール性、グリップ強度、耐振性、材料の質を考慮して設計されているため、水素特有の封止要件に対応します。また、効率的な取り付けおよび長期的な耐久性により、安全で確実かつ持続可能な形でのオペレーション拡張に貢献します。Swagelok® FKシリーズ継手は、クリーン・エネルギー・アプリケーションにおいて信頼性の高いパフォーマンス、最小限のメンテナンス、卓越した安全性を実現すると共に、標準のSwagelokチューブ継手ではカバーできない水素分野のニーズに応えます。

今日のクリーン輸送および水素モビリティの状況

クリーン・エネルギー輸送と言えば、電気自動車(EV)が話題の中心になりがちですが、EVは大きな限界に直面しています。それを克服できるのが水素です。車載水素貯蔵により、乗用車、商用車を問わず、航続距離の延長を実現できます。また、水素の充填は一般的なガソリン車やディーゼル車と同じく、わずか数分で完了します。さらに、水素インフラの整備が進めば、事業規模の拡大によるコスト低減によって、競争力のある価格設定が実現することが期待されます。

つまり、水素は大きな成長が見込まれており、その機会を捉えるべく、この分野では適切な技術が求められています。

地球アイコンクリーン・エネルギーの普及に向けた世界的な取り組みの推進

クリーン・エネルギー燃料の製造、流通、圧縮、充填、モビリティ向けにスウェージロックが提供している流体システム部品を紹介します。

 


水素の貯蔵および封止に特有の考慮事項とは

安全で信頼性が高く、漏れの無い水素燃料電池自動車の開発において、低分子ガスという水素の性質こそが最大の課題となっています。その構造上、水素はわずかなすき間からも容易に漏れ出し、水素を封じ込めるための材料内に拡散することがあります。こうした状況を踏まえると、水素流体システムは以下に示す2つの重要な条件を維持することが求められます:

  • 漏れが無いこと:従来のオイル/ガス・システムの設計では、水素の封止に求められる漏れの無い要件に対応できません。大きな分子とは異なり、水素は微細なすき間からも容易に漏れ出す可能性があります。オイル/ガス・アプリケーションで一般的に使用される標準的なシール、材料、接続方法では、水素システムに必要なシール性を確保するには不十分です。

    これは特に、一般消費者が水素流体システムに接する供給ポイントにおいて重要となります。安全上の懸念を軽減するべく、水素インフラは特定の使用上の課題を念頭に置いて設計する必要があります。

  • 材料の質:チューブ継手が関わるあらゆるアプリケーションにおいて、腐食を制御することが重要ですが、水素を封止するには特有の課題があります。水素ぜい性は、継手、バルブ、チューブなど、水素自動車の車体構造に広く使用されている316ステンレス鋼に影響を与える可能性があります。

    時間の経過と共に、316/316Lステンレス鋼などの耐久性のある材料であっても、水素によって徐々に劣化するおそれがあります。高圧下で長期間曝露すると、水素原子が金属の結晶構造内部に拡散し、ぜい化を引き起こします。材料の機械強度は維持されるのが一般的ですが、水素が存在すると既存の微小クラックが進行し、部品の疲労破壊が生じやすくなります。低グレード合金の場合、もともと材料の品質や強度が劣ることから、疲労破壊のリスクがさらに高まります。水素インフラ・システムでは、特に恒常的な応力下にある場合、ぜい性に耐える材料を選定することが長期的な信頼性の確保に欠かせません。

材料アイコン高性能材料を選定する

オイル/ガスのオペレーションでよく見られるさまざまな腐食タイプの識別方法や対処法などにつきましては、 材料セレクション・ガイド をご参照ください。

 


FKシリーズ継手水素用部品の必要性

生産インフラ、車載アプリケーション、ディスペンサーなど、あらゆるアプリケーションの水素流体システムにおいて非常に重要となる部品のひとつが チューブ継手 です。チューブ継手は、水素システム全体にわたって重要な接続部を形成します。

Swagelokチューブ継手 FKシリーズは、あらゆるアプリケーションにおいて重要となる以下のパフォーマンス特性を備えており、こうしたニーズをすべて満たします:

  • 極めて効果的なシール性:漏れの防止は極めて重要であることから、水素用継手には最高レベルのガス・シール性を維持し、最大限の安全性、信頼性、効率性を実現することが求められます。

    FKシリーズ継手は、チューブに沿った接触部および継手に沿った接触部の2つのゾーンから成る長いシール面を形成します。これらの接触面にわずかに角度をつけて最適な応力レベルを生み出すことで、妥協のないシール性を維持します。FKシリーズ継手は、2個のフェルールを使用してこのようなシールを実現しています。つまりフロント・フェルールは長い接触面を形成し、バック・フェルールはチューブをしっかりとグリップしつつ、独自の面シールを形成します。フロント・フェルールの長い表面を精密に機械加工することで、さらに信頼性が高く、ガス漏れの無いシールが実現するのです。

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  • 妥協のないグリップ強度:チューブに対する継手のグリップ強度も、重要なパフォーマンス特性です。これにより、水素充填に必要な高圧だけでなく、走行中の車両で発生する大きな振動にも耐えることができます。

    FKシリーズ継手には、2個のフェルールを使用したヒンジ・コレット機能付きのメカニカル・グリップ構造を採用しています。これは、強力なグリップを生み出す理想的な設計と言えます。硬化処理を施したフロント・フェルールによって、継手がチューブを機械的に絞り込むことで、非常に高い圧力に対応することが可能になります。同時に、独自のバック・フェルール設計により、継手がわずかに動く余裕(「スプリング・バック」)を持たせつつ、グリップ力を維持することができます。こうした設計によって優れた耐振性が得られるため、車載アプリケーションだけでなく、コンプレッサーや動的条件によって大きな振動が発生する可能性のある水素充填インフラでの使用にも適しています。

    2個のフェルールでスプリング・バックを可能にするメカニカル・グリップ構造を採用することで、継手は材料の膨張や収縮を引き起こす可能性のある急激な温度変化にも耐えることができます。充填中は、水素ガスの温度が-50°Cという低温から周囲温度まで変動する可能性があるため、従来のコーン&スレッド継手では問題が生じかねません。

  • 高性能な材料:水素ぜい性は、水素流体システム部品の材料における主要な懸念事項のひとつですが、その他の要因によっても 有害な腐食 が生じる可能性があります。例えば、車載部品は、材料に悪影響を及ぼすおそれのある過酷な気象条件(融雪剤が散布された道路など)にさらされる可能性があります。

    したがって、水素用継手を製造する際は、高性能の材料を使用することが不可欠です。そのため、Swagelok FKシリーズ継手(およびその他の各種部品)に使用する材料は、水素ぜい性などの腐食から保護するべく、クロムやニッケルの含有量を増やすことで、延性および耐食性を向上させています。米国材料試験協会(ASTM)規格では、316ステンレス鋼の配合に関してニッケル含有量を10%以上にすることが要求されていますが、水素特有の課題に対処するには、スウェージロックが採用しているニッケル含有量が12%以上の316ステンレス鋼が適しています。

  • 容易な取り付け:効果的な拡張性を担保するため、水素用継手には、重要な水素システムをより効率的に構築できるように、取り付けが容易であることも求められます。

    コーン&スレッド継手を取り付ける際は、多大な労力を要する上、時間もかかります。また、取り付けを完了し切削加工中の摩擦を低減するには、コーン加工用ツール、ねじ切り用ツール、切削潤滑剤などの専用ツールや材料が必要です。

これに対し、FKシリーズ継手には部品装着カートリッジが付いているため、一般的な工具を用いて、最小限のトレーニングで効率的かつミスなく組み立てることができます。つまり、FKシリーズ継手には、従来のコーン&スレッド継手と比べて、取り付けおよび組み立てにおいて大きな利点があります。具体的には、ミスの減少、一貫性の向上、さらにはアプリケーション全体での耐用年数の延長などが挙げられます。

水素用継手 FKシリーズの断面図Swagelok FKシリーズ継手の利点

Swagelok FKシリーズ継手 は、水素アプリケーションに求められる以下のような特性を備えています:

  • 堅牢なシール性
  • 優れたグリップ強度
  • 妥協のない耐振性
  • 高性能な材料
  • 容易かつ効率的な取り付けが可能

FKシリーズ継手の2個のフェルール・デザイン(特許)およびヒンジ・コレット機能は、さまざまなタイプや材質のチューブに適合し、過酷な水素アプリケーションに求められるパフォーマンスを発揮します。水素製造から輸送インフラ、車載・分配アプリケーションまで、FKシリーズ継手はあらゆるニーズを満たします。

FKシリーズ継手は、水素業界の関連規格 に適合しているほか、欧州統合水素プロジェクト(EIHP)の認証を取得しています。さらに、FKシリーズ継手はニッケルを12%以上、クロムを17%以上含有した高性能の316/316Lステンレス鋼で製造されているため、一般的な腐食や水素ぜい性に対する耐性を備えています。

FKシリーズ継手は、水素流体システム・ソリューションの包括的な製品群の一部として、以下の主要部品と共に提供されます:

  • ボール・バルブ
  • ニードル・バルブ
  • 逆止弁
  • 圧力逃がし弁
  • ダブル・ブロック/ブリード・バルブ

こうしたソリューションは、スウェージロックの包括的な エンジニアリング・サービス によっても支えられています。エンジニアリング・サービスには、専門トレーニング、現場での評価、プレハブ設計/組み立てサービスなどが含まれます。

優れた継手技術を利用して、アプリケーションの信頼性向上、取り付け作業の効率化、水素システムの安全性強化を図る方法につきましては、スウェージロックの流体システム専門スタッフまでお問い合わせください。

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