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背圧レギュレーターのセットアップ:サンプリング・システム担当エンジニア向けのヒント

 

背圧レギュレーターのセットアップ:サンプリング・システム担当エンジニア向けのヒント

2019年5月28日 | Jon Kestner、製品エンジニア

背圧レギュレーターを適切に使用するため、サンプリング・システムを設計する際は、以下のようなミスに注意してください:

  • 上流に流量調節機器を設置する必要はないと考える
  • 分析器へ大量に流す
  • 減圧レギュレーターと背圧レギュレーターを直列に配置し、両レギュレーター間に流量調節機器を設置していない

今回のコラムでは、背圧レギュレーターを使用したサンプリング・システムを設計・構築する最適の方法、および上記のような設計ミスを防止する方法を紹介します。

背圧レギュレーターをセットアップする

背圧レギュレーターは入口側圧力をコントロールし、通常はラインの最後に取り付けます。 逆に減圧レギュレーターは出口側圧力をコントロールし、通常はラインの最初に取り付けます。 両レギュレーターとも設定圧力に達した時に、流体の圧力による力と、スプリングの力とのバランスを取るように機能します。

入口または出口の圧力が上がったり下がったりしてこのバランスが崩れると、レギュレーターのダイヤフラムまたはポペットがシートに近づいたり離れたりします。 このようなダイヤフラムやポペットの動きによって、オリフィスを通る流れを調節して、レギュレーターは再度バランスをとります。

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図1: 背圧レギュレーターの一般的なセットアップ方法。 背圧レギュレーターは、バイパスに分岐する流量を調節することで、分析器(A)への圧力を維持します。 流量調節機器(R1およびR2)により、背圧レギュレーターは適切に圧力を調節することが可能になります。 Image © 2013 "Industrial Sampling Systems"

図1は、分析サンプリング・システムにおける背圧レギュレーターの一般的なセットアップ方法を示しています。 背圧レギュレーターは、分析器に不要な流れをバイパス・ラインへ分岐します(図1のAを参照)。 元圧が変化すると、背圧レギュレーターはバイパス・ラインの流量を変化させて、背圧レギュレーターの入口側の圧力を一定に維持することで、分析器への流れを一定にします。

背圧レギュレーターの入口側の圧力を維持するために、上流には流量調節機器(一般的には ニードル・バルブ) を設置してください(図1のR1を参照)。 もし背圧レギュレーターの上流に何の流量調節機器も設けなかった場合(ガス・システムでは、わずかに圧力が降下する長いチューブを取り付けたとしても)、背圧レギュレーターは大きく開いて、入口側の圧力を下げるために十分なガスを流しますが、入口側圧力は下がりません。 流量調節機器を設けた場合、流量が増加すると、流量調節機器で圧力降下が発生し、下流側の圧力が下がります。

背圧レギュレーターが入口側圧力を直接コントロールできると考えて流量調節機器を使用しないといういうのは大きなミスですが、サンプリング・システムの設計では珍しくありません。 しかしながら、流量調節機器が無いと、流量が変化しても圧力はほとんどまたは全く変化することはありません。 背圧レギュレーターは、入口側をコントロールするために流量を増やしますが、プロセス・サンプルを浪費し続けるだけで何の変化も生じません。この結果、背圧レギュレーターは大きく開いた状態になります。

分析器側の流量調節機器へプロセス・サンプルを大量に流すと背圧レギュレーターの入口側の圧力が設定圧力を下回るおそれが生じるため(図1のR2を参照)、これも大きな設計ミスであると言わざるを得ません。 結果として、背圧レギュレーターは完全に閉じた状態となり、バイパス・ラインの流れが制限されることになります。 適切にコントロールするには、上流の流量調節機器(R1)のサイズを、分析器の流量が最大になったとしてもある程度の流れが背圧レギュレーターを通過する程度にしてください。

図1のような機能のシステムをセットアップするには、まずR2を閉じてR1を調節し、適切な応答時間を満足する流量にしてください。 次にR2を微調整して分析器に必要な流量にしてください。 自動的にバイパス流量は同じ量が減ることになります。 必要であれば、R1をゆっくり開いてバイパス流量を少なくとも分析器の流量と同じにしてください。 これで、元圧が変化した際に、背圧レギュレーターは入口側圧力をコントロールすることができます。 元圧が大きく変化することが予想されるのであればR1を調節し、元圧を最低にした状態でバイパス・ラインにわずかに流れるようにしてください。

背圧レギュレーターはバイパス流れをコントロールするため、ニードル・バルブのような流量調節機器をバイパス・ベント・ラインに使用する必要はありません。 しかしながら、ニードル・バルブ無しのバイパス流量計を使用すると、背圧レギュレーターが入口側の圧力を調節するための流れがあることを確認することができます。

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図2: セットアップミスの例。減圧レギュレーターと背圧レギュレーターを直列に配置すると、2つが競合し、システムの圧力管理を効率的に行うことができません。 Image © 2013 "Industrial Sampling Systems”

減圧レギュレーターと背圧レギュレーターを直列で使用する

図2に示すように、背圧レギュレーターを減圧レギュレーターの直後に配置するのも適切な設計とは言えません。 これは、2つのレギュレーターは同じ流体の圧力をコントロールすることができず、いずれかが機能しなくなるためです。

これを実証するため、2つのケースを考えてみましょう。 1つめは、背圧レギュレーターの設定圧力が上流の減圧レギュレーターから流れ込む圧力よりも高い場合です。 この時、背圧レギュレーターのポペットがシートから離れて持ち上がり、背圧レギュレーターを通る流れを生じさせるのに必要な力が不足するため、背圧レギュレーターは閉じた状態になります。 この場合、バイパス・ラインに流れは存在しません。背圧レギュレーターが閉じた状態のままだからです。

2つめは、背圧レギュレーターの設定圧力が低い場合です。 流量が増えるため、減圧レギュレーターから供給される圧力は、減圧レギュレーターの圧力・流量曲線(ドループ曲線)に沿って下がります。 流量が劇的に増え、背圧レギュレーターの圧力・流量曲線(アキュムレーション曲線)に沿って、背圧レギュレーターの入口側圧力が高まります。

圧力がどれだけ高まるかは、2つのレギュレーターの設定値によって決まります:

  • 2つの設定値が近い場合、流量が増えて1つめの減圧レギュレーターからのドループ圧力が2つめの背圧レギュレーターへの積算圧力に等しくなります。 しかしこれで流量が非常に多くなることになります。
  • 2つの設定値がかけ離れている場合、流量が増えてレギュレーターはコントロール不能になります。 1つのレギュレーターは圧力をコントロールする一方、もうひとつのレギュレーターは流量調節機器となります。

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図3: 図2の設計ミスによって、流量が多い状態で2つのレギュレーターが各々の設定圧力の中間にあたる圧力を維持しようとします。 Image © 2013 "Industrial Sampling Systems”

バイパス流量は、2つの設定圧力の差によって決まります。 2つのレギュレーターの流量カーブが交差するところまで流量が増えます。 入口側圧力が変化するか、分析器への流量が変化した場合、2つのレギュレーターは各々の設定圧力の中間にあたる圧力を維持しようとしますが、不安定な状態になります(図3参照)。

ただし、必ずしも2つのレギュレーターを直列で使用できないわけではありません。 両方を適切に機能させるには、レギュレーターの間に流量調節機器を設置するというのが唯一の方法となります。 図4を見ると、正しい設定値の下で流量調節機器を設置することで、両方のレギュレーターが本来の機能を果たし、かつ2つの流量調節機器の入口、出口で圧力がそれぞれ一定となることがわかります。 この圧力が一定になることで流れが安定し、元圧やベント圧力の変動から分析器を保護できるようになります。

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図4: 流量調節機器を2つのレギュレーター(背圧レギュレーターと減圧レギュレーター)の間に使用すると、圧力や流れを効果的にコントロールすることができます。 Image © 2013 “Industrial Sampling Systems”

適切に機能するシステムとは

背圧レギュレーターを適切に機能させるには、サンプリング・システムの設計を慎重に行い、レギュレーターで圧力をきちんとコントロールすることが求められます。 圧力が高すぎたり、低すぎたりすると、システムが支障をきたしたり、時間遅れが生じたりするおそれがあります。 サンプリング・システムに一定の圧力を確実に供給し、分析器への流れをコントロールするには、上記のガイドラインに従うことをお勧めします。

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