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分析精度の維持に欠かせない3つのルール

分析精度の維持に欠かせない3つのルール

2020年3月31日 | Stacey Phillips、フィールド・エンジニアリング・マネジャー(南北アメリカ担当)

大半のプラントの現場では、オペレーターは分析結果を信じて、製品が仕様を満たしているかを判断します。しかし、その分析結果に最終製品の状態が正確に反映されていない場合、サンプリング・システムの設計またはパフォーマンスの問題が、プロセス・サンプルに影響を及ぼしている可能性があります。事実、分析器に見られる不具合の約80%は、サンプリング・システムのパフォーマンスの問題が原因になっています。

スウェージロックのフィールド・エンジニアは、サンプリング・システムによる分析精度低下や仕様外の製品の生産といった問題の診断サポートを、全世界のさまざまな業界のお客さまに提供しています。今回は、フィールド・エンジニアの経験に基づく、オペレーターが守るべき3つのルールを紹介します。

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#1. システムの適合性を最適化する

正確な分析結果を得られるかどうかは、サンプリング・システムを設計する際に、サンプル流体との適合性を考慮しているかにかかっています。例えば、ガス・サンプルと液体サンプルでは考慮すべき項目が異なり、いずれにも対応できるようにサンプリング・システムを設計する必要があります。分析結果に大きな影響を与え得る要素には、次のようなものがあります:

  • 温度: 化学成分で構成されるサンプル流体は温度の影響を受けやすく、不適切な温度が分析結果に影響する可能性があります。例えば、気化器が高温になると、気化器に流入する液体サンプルが気化する場合があります。一方、ガス・サンプルは周囲温度の影響で温度が急速に低下するため、必要な温度を維持するためには、適切な手段を講じる必要があります。このような問題は、断熱材や加熱保温バンドル・チューブを使用することで対処できます。
  • 圧力: 圧力もまた分析器の精度に影響を及ぼします。液体サンプルは配管内を移動すると圧力が低下するため、適切な対策を講じないと問題が生じる可能性があります。例えば、液体サンプルの圧力が下がると溶存ガスが気化し、液体内に気泡が発生したり、液体が泡立ったりすることがあります。この場合、圧力損失が少ないバルブを選定することで、適切な圧力を維持することが可能です。
  • 流量: サンプルの流量が少ないと、チューブ壁の粘性抵抗により、パーティクルが堆積します。分析器にサンプルを導入するために流量を下げる前に、サンプルの適切な混合とサンプル・ラインの清浄性を維持し、レスポンス・タイム(応答時間)向上を図るために、サンプリング・システム内の流量を上げることをお勧めします。

#2. サンプルの適時性を確保する

プロセス・ラインからサンプルを採取し、分析結果が出るまでの時間を、できるだけ短くする必要があります。時間が経過するとプロセスの状態が変化する可能性が高く、分析結果が実際のプロセスの状態とは異なる可能性があります。時間遅れを最小限にすることを、最優先に考えましょう。

時間遅れは1分を超えないことが理想です。1分以上の時間遅れを発生させる要因には、次のようなものがあります:

  • 圧力: 取出し口でサンプル・ラインのガスの圧力をできるだけ下げることにより、密度の低いガス・サンプルを高速で分析器に送ることができます。
  • プローブ: プローブを使用することで、サンプルの迅速な採取と、サンプルの代表性の維持という2つの目的を達成できます。ただしサイズに注意が必要です。アプリケーションで必要以上に太いサンプル・プローブを使用すると、時間遅れも大きくなる可能性があります。
  • 配管径: 配管には適切なサイズが求められます。プローブと同様、サイズが大きすぎると時間遅れが大きくなる可能性があります。サンプルの移動距離が長いほど、またサンプル・ラインの内径が大きいほど、時間遅れも増えていきます。
  • たまり部: たまり部(パージされないサンプル・ライン)があると、古いサンプルが混入し、分析器のレスポンス・タイム(応答時間)を遅らせたり、クロス・コンタミネーションを招いたりするおそれが生じます。
  • 分析器の遅れ: 分析器でも遅れが発生することがあります。例えば、手動による操作が必要な分析器でオペレーターの準備ができておらず、サンプルの導入と同時に分析を開始できない場合などです。

時間遅れは累積します。わずかな時間遅れが積み重なることで、サンプリング・システムのオペレーターが気付かないうちに長時間の時間遅れが発生していることがあります。例えば、サンプル取出し口からサンプル調整システムにサンプルが到達するのに、通常の条件下で49秒かかるとします。しかし、サンプル調整システム内の問題で遅れが積み重なると、サンプルの採取から分析器への導入まで時間遅れが1分以内という目標は、もろくも崩れてしまいます。こうなると、分析対象のサンプルは、プロセスの状態をもはや正しく表していない可能性があります。

#3. サンプルの代表性を保持する

上記2つのルールを順守できた場合でも、サンプル成分の同一性、ひいては分析結果の精度を損なわせる問題は他にも存在します。例えば、次のような問題が考えられます:

  • 想定外の分別蒸留: 分別蒸留あるいは部分的な相変化は、分析結果に著しく影響を与えるおそれがあります。サンプルが分別蒸留すると、分析器は元のサンプル成分を分析できず、プロセスの状態を正しく表す分析結果が得られなくなります。分別蒸留を防止するためには、適切な温度と圧力を維持(ルール#1を参照)してください。
  • 吸着: サンプル流体が接触した表面には、若干の分子が吸着します。この吸着によって分子が失われると、サンプルが変質する場合があります。この問題を回避するため、システムの設計や保守を行う際に、フィルター・エレメント、レギュレーターのダイヤフラム、チューブ内壁、ガス・ボンベは、サンプルに適した材質を選択してください。
  • コンタミネーション: コンタミネーションを防止するには、フィルターの選定が重要です。フィルターの重要性を理解しているオペレーターは少なくないにもかかわらず、適切なフィルターが使用されていないケースが数多く見られます。プロセス流体に適していないフィルターを取り付けると、パーティクルを捕捉できず、汚染されたサンプルが通過する可能性があります。また、フィルターによっては流量が極度に減少し、大幅な時間遅れが生じたり、十分な量のプロセス・サンプルを分析器に供給できない場合があります。また、たまり部によって古いサンプルが新しいサンプルと混じり合うクロス・コンタミネーションが発生する可能性があります。複数のサンプルを切り替えて選択する場合は、流路選択バルブのシートから漏れが生じた場合に備えて、ダブル・ブロック/ブリード機構を持つ適切な流路選択バルブを採用することで、クロス・コンタミネーションを防止することができます。

これらの3つのルールをオペレーターが順守することで、プロセスの状態を正しく表すサンプルを維持し、精度の高い分析結果を得ることができます。サンプリング・システムのトラブルシューティングにどこから着手すればよいかわからない場合は、スウェージロックによる 評価/アドバイス・サービス をぜひご検討ください。サンプリング・システムの改善エリアを洗い出し、実行可能な洞察による裏付けと、推奨事項を優先順位と共に提案することで、お客さまが求める高品質な製品を生み出すお手伝いをいたします。

詳細につきましては、最寄りのスウェージロック指定販売会社までお問い合わせください。

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