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レギュレーターの信頼性を確保するために

 Swagelok RHPSシリーズレギュレーター

材料科学と試験の重要性:レギュレーターの信頼性を確保するために

2019年8月28日 | Jon Kestner、製品マネージャー、一般産業用レギュレーター担当

業界要件の高度化に合わせて製品ポートフォリオを整備し、各アプリケーションにふさわしい製品を提供することがメーカーの責務と言えます。 これは流体システムも例外ではありません。バルブ、継手、レギュレーターといったコンポーネントの性能は、まさに日進月歩なのです。

実際のアプリケーションにおいて、液体やガスのシステムのコンポーネントが加圧下で機能することを確認する上で、設計のブラッシュアップや綿密な試験は欠かせません。 試験を通じて製品が設計通りに動作することを確認できるだけでなく、これまで注視していなかった変動要因が現場での性能に影響していることに気付くこともあります。 特に、過酷な状況で製品を使用する場合は、確実なことはひとつもありません。 何か問題があれば生産性の低下はおろか、作業者が危険にさらされるおそれもあります。

圧力レギュレーターは、たとえ氷点下でも使用可という触れ込みの製品であっても、綿密な試験を行って過酷な状況下の性能を確認する必要があるコンポーネントです。 圧力レギュレーターの不具合が収益の損失や設備の損傷だけでなく、作業者の安全を脅かすことにつながりかねないアプリケーションでは、圧力レギュレーターは圧力を調整すると同時にシステムの変化にも対応することが求められます。 低温によって主要なコンポーネントの機能に不具合が生じるようなケースでは、レギュレーターが適切に機能するか否かは、綿密なレギュレーター工学、そして実験室での周到かつ徹底した分析にかかっていると言っても過言ではありません。

低温アプリケーションでレギュレーターを使用する

低温用レギュレーターは、一般産業用ガスやバルク・ガスなどを供給するアプリケーションで多く使用されています。 流量が変化する同アプリケーションなどにおいてシステムの圧力をコントロールするレギュレーターに不具合が生じると、深刻な事態につながるおそれがあります。 液体やガスが外部に漏れ出すと多大な損失をもたらすばかりか、最悪のケースではレギュレーターの不具合で圧力が失われることで、システム全体の性能低下や、安全を脅かす深刻な問題を招くおそれもあります。

レギュレーターの不具合が生じる主な原因のひとつに、バルク・ガスなどを供給するアプリケーションに特有の幅広い温度範囲に対応できないというレギュレーターの特性が挙げられます。 ガス供給圧を下げるシステムは屋外に設置するのが一般的ですが、夏の猛暑から冬の極寒まで、各地の気候や天候の幅広い温度範囲に機器がさらされる可能性があります。 また、圧力低下に伴うガス温度の低下によって、低温環境による影響がさらに増大する場合もあります。 大半のガスは、圧力が大幅に降下するとジュール・トムソン効果が生じ、エネルギーの移動に伴って温度が大幅に下がります。 この際にレギュレーターがさらされる温度は、マイナス40°Cあるいはそれ以下になることもあります。

低温環境は、レギュレーターの性能に悪影響を与えることがあります。 低温によってエラストマー製コンポーネントの硬化や収縮が発生し、漏れが生じたり反応性に影響したりすることは少なくありません。 レギュレーターの主要な感知エレメントは、エラストマー製のダイヤフラム、またはエラストマー製のOリングでシールしたピストンです。 ダイヤフラムまたはピストンのOリングが脆くなり、割れによる漏れや極度の硬化が生じると、システム流量の変化にレギュレーターが対応できなくなります。 また、レギュレーターには感知エレメント以外にもエラストマー製のコンポーネントが数多く使用されています。 例えば、ポペットのシールによって高圧エリアと低圧エリアを分離するメイン・シート、ポペットとボディの間やダイヤフラムまたはピストンのシール、ボディ内部で圧力を封止するシールなどです。 レギュレーターには、非エラストマーのポリマー(硬質プラスチックのシート材料など)も使用されていますが、これらは非常に低い温度下で極度に硬化し、シール性能が低下したりシールできなくなったりすることもあります。 このようにレギュレーターの性能は、低温に伴う性能の劣化が避けられません。

低温アプリケーションでは特に、レギュレーターの設計時に適切な材料を選定し、コスト増や安全性の低下につながりかねない漏れのリスクを抑えることが不可欠です。

低温アプリケーションに適した材料を選定する

適切なレギュレーターを検討する上で材料選定が非常に重要なのは、バルク・ガス供給などのアプリケーションに使用するコンポーネントには耐低温性が求められるという点はもちろん、エラストマーがあらゆる化学物質に適合するわけではないという点が大きいでしょう。 例えば、エチレン・プロピレンは低温で使用しても問題はありませんが、圧縮天然ガス(CNG)などのアプリケーションに存在することが多い炭化水素とは化学的に適合しません。 現場に設置するレギュレーターに使用する材料は、環境性能と耐化学性が共にアプリケーションに適合することが求められます。

また、選定した材料が何であれ、必ず試験を行って極端な低温下におけるレギュレーターのシール性能を確認する必要があります。 レギュレーターのシートからの内部漏れや、シールの不具合による外部漏れが発生していないこと、またレギュレーターの機能が設計通りに動作し、指定の圧力レベルをコントロールしていることを確認するには、試験の実施が欠かせません。

低温試験の概要

温度試験の方法はさまざまです。 低温性能の試験では、業界をまたいだ標準的な方法が確立されていないため、装置試験の内容には大きな差があります。 低温試験には、米国機械学会(ASME)や米国国家規格協会(ANSI)によるものや、米国石油協会(API)などの団体が定めた専門性の高いものがあります。 これらの試験は特殊な要件を持つアプリケーションを対象としていますが、その範囲は狭いため、流体システム製品が使用されているアプリケーションすべてに適用できるわけではありません。

状況を複雑にしているもうひとつの要因として、一般的な施設ではテスト要件に限度があり、極めて低い温度の流量曲線を分析することが難しい点が挙げられます。 それでも、ガスが適切に流れる、適切に調整できる、シール性能が維持される、大きく温度が変化しても性能が低下しないといった点は、試験を通じて確認する必要があります。

最も過酷な条件下でも低温用レギュレーターが機能するかを調べるには、独自のアプローチによる温度試験が必要になります。 その概要を理解する一助として、スウェージロックの製品開発チームが低温用RHPSシリーズ・レギュレーターの機能分析に使用した手順を紹介します。 なお、低温用RHPSシリーズ・レギュレーターには、低温でも強力なシール性能が変わらないコンポーネントを使用しています。

低温用レギュレーター向けの試験プランを策定する

標準のRHPSシリーズ・レギュレーターのカタログには、約900種類にも及ぶ製品が掲載されています。 試験方法が確立していなかった頃は、これらの製品すべてをどう適切に評価するかが課題となっていました。 実際には、スタティック(静的)性能(すべてのシールとOリングが圧力を封止し、外部へ漏れないようシールする)とダイナミック(動的)性能(Oリングとダイヤフラムの周囲の動力機構が理想的な性能を維持する)の両方の観点から、すべての機能の試験を行っていたのです。

そこでエンジニアリング・チームは、バルブと継手に対して行っている標準の低温試験に着目しました。 この試験では、室温-低温、または室温-高温という温度サイクルを繰り返し行います。 温度サイクルの反復を通してシール性能とバルブの動作を確認し、パフォーマンスの低下を調べるこの試験は、さまざまなアプリケーションに使用されている製品に実施されています。

低温用レギュレーターを適切に評価するため、レギュレーターのアプリケーションで求められるすべての機能をカバーするべく試験の範囲を拡大しました。 試験担当チームは、低温によって性能が低下した結果、レギュレーターの操作トルクが大きくなる、または収縮が原因でシール部から漏れが生じるといった現象が見られることを突き止めました。 これを踏まえ、現場で製品を取り付ける際に予期せぬトラブルにつながりかねない潜在的な問題を把握するための試験プランが策定されました。

試験担当チームは、すでに実績がある試験プロトコルを基に、低温用RHPSシリーズ・レギュレーターに対して高温-低温-高温-低温の温度サイクルを適用しました。 極端な低温と常温の間で変動させる温度サイクル中に、何らかの劣化が生じていないことを確認します。 温度サイクルを繰り返すのは、初回の温度低下では見落としていた劣化が、次の温度低下で明らかになるかもしれないためです。 このような綿密なアプローチによって、さまざまな低温アプリケーションでも製品が正常に機能することを確認しています。

また、背圧レギュレーターと減圧レギュレーターでは異なる手順を採用し、あらゆる製品の試験を個々の設計に合わせてカスタマイズした手法で実施するようになりました。 こうして一般産業用レギュレーター専用の低温サイクル試験を確立したのです。 同時に、過酷な条件下でも機能する製品の誕生にもつながりました。

製品を購入する前に

研究開発プロセスにおいて試験は必ず実施すべきものとは言え、これを当たり前と考えるのは早計でしょう。 前述の事例からもわかるように、極端な温度での製品性能を確認するには細心の注意が求められます。 製品を構成する部品の使用温度を単に合計しただけでは、使用温度範囲はわかりません。 製品が安全かつ確実に動作することを確認するには、実験室の実データが必要です。 また、単に製品を低温にさらすだけでは不十分です。 綿密に構築された温度サイクル試験で製品の耐低温性を検証し、現場の性能低下につながるような問題を未然に特定し、対処するのはメーカーの責務なのです。

アプリケーションに最適なコンポーネントの選定にお悩みですか?ぜひ 最寄りのスウェージロック指定販売会社 にご相談ください。 現行の液体やガスのシステム性能に疑問をお持ちの場合や、新しいシステムを設計するにあたって専門家の意見を聞いてみたいという場合は、スウェージロックの 評価/アドバイス・サービス をご利用ください。 当社の専門スタッフが現場を訪問して検査を実施し、流体システムの改善につながるアドバイスをさせていただきます。

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