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適切なサンプル前処理モジュールを選定する方法

適切なサンプル前処理モジュールを選定する方法

2019年8月20日 | Randy Rieken

分析 サンプリング・システム でサンプルの分析を行う際に、分析器の近くのサンプル調整システムにサンプルが到達する前に、サンプルの前処理が必要になる場合があります。 この場合、適切なサンプル前処理モジュールを選定することが極めて重要になります。

前処理モジュールは、使用しているサンプル移送システムのタイプと、サンプルの相(ガスまたは液体)に基づいて選定します。 これらの条件に応じて、サンプルの前処理では次の2つの設計オプションがあります:

  1. フィールド・ステーション・モジュールを取出し口の近くに取り付ける
  2. ファスト・ループ・モジュールを分析器の近くに取り付ける

サンプル移送システム

まずは、サンプル調整システムで使用するサンプル移送システムを決定します。 分析計装のアプリケーションでは、次の2種類のサンプル移送システムを使用します。

単一ライン・システムでは、サンプルは分析器に到達した後、最終的な廃棄ポイントまで流れ続けます。 単一ラインの移送システムは、ガス・サンプルで使用するのが一般的です。 ガス・サンプルがサンプル移送ラインに流入する前に前処理を行う場合は、 フィールド・ステーション・モジュール を組み込んだ単一ライン・システムが必要になる可能性が高くなります。

これとは対象的に、ファスト・ループ・システムでは、移送したサンプルが分析器付近に到達した後、ほんの一部のサンプルだけが分析器に到達し、残りはプロセス・リターン・ポイントに戻されます。 ファスト・ループ・システムは液体サンプルで使用するのが一般的ですが、ガス・サンプルをフレアに排気できない場合にファスト・ループが必要になる場合もあります。 ファスト・ループ・システムでは通常、ファスト・ループ・モジュール を使って分析器に到達した後のサンプルの前処理を行います。

フィールド・ステーション・モジュールとファスト・ループ・モジュール

サンプル移送システムが決定したら、適切なサンプル前処理モジュールを選定します。 フィールド・ステーション・モジュールかファスト・ループ・モジュールを使用する、またはいずれも使用しないという選択肢もあります。 両モジュールの大きな違いは、サンプルを前処理するタイミングです。サンプルが移送ラインに入る前に前処理するのがフィールド・ステーション・モジュールで、サンプルが分析器付近に到達してから前処理するのがファスト・ループ・モジュールです。 なお、1つのサンプル調整システムで両方のモジュールを使用するケースはほとんどありません。

field station module in a single line transport system

図1:単一ラインの移送システムに組み込まれたフィールド・ステーション・モジュール

一般的にフィールド・ステーション・モジュールは、フィルター、液体サンプルの気化器、ガス・サンプルの減圧レギュレーターなどを含むサブアセンブリーとして機能します。 フィールド・ステーション・モジュールは、サンプル移送ラインに入る前にサンプルを前処理します(図1を参照)。 フィールド・ステーション・モジュールには以下の機能があります:

  • 不要な固体や液体を除去する
  • サンプルの圧力または温度を変化させる
  • 気化によりサンプルの状態を変化させる
  • 校正用ガスの導入口となる

fast loop module in a fast loop transport system
図2:ファスト・ループ・システムに組み込まれたファスト・ループ・モジュール

大半のファスト・ループ・モジュールは液体サンプル用ですが、今ではガス・サンプルを使用するケースも増えつつあります。 一般的にファスト・ループ・モジュールは、流量制御機器とフィルターを内蔵したサブアセンブリーとして使用します。図2は、分析器付近に到達した後にサンプルを前処理するファスト・ループ・モジュールを示しています。

ファスト・ループでは、サンプルを前処理することはほぼありません。 分析器にはサンプルのほんの一部だけが送られ、残りのサンプルは、処理されずにサンプル・リターン・ラインに戻されます。

液体サンプルの前処理における考慮点

液体サンプルはファスト・ループ・モジュールを使って前処理するのが最も一般的です。 その理由として、液体の廃棄や処理が非常に難しいことが挙げられます。サンプルを処分する際は環境への配慮が必要ですが、ファスト・ループ・モジュールを使用すれば有害廃棄物の問題を解決することができます。 また、体積流量当たりの質量は液体の方が大きいため、これらのサンプルは、大半のガス・サンプルに比べて価値が高いといえます。 ファスト・ループ・モジュールを使うと、サンプルをクロスコンタミにネーションせずにサンプル・リターン・ラインに戻すことができます。

ガス・サンプルの前処理における考慮点

前述のとおり、ガス・サンプルの前処理にはフィールド・ステーション・モジュール、ファスト・ループ・モジュールのいずれも使用する場合があります。 昔からフィールド・ステーション・モジュールは、ガス・サンプルの前処理に加えて、圧力を下げてから分析器に移送する際にも使用されてきました。 ガスの圧力が下がると時間遅れが改善し、ガスの移動スピードが速まります。 また、ガス・サンプルは低い圧力で移動させた方が安全性も高まります。

ただし、高圧の維持が必要な場合もあります。 実プロセス圧力でサンプルを測定しなければならない場合や、ガス・サンプルのppmレベルやppbレベルを測定するのに分析器が高いサンプル圧力を必要とする場合などです。 このような状況、特にガス・サンプルが炭素や硫黄を含んでいる場合は、廃棄の問題が最優先事項になります。 このようなサンプルでは代わりにファスト・ループを使い、サンプルの大部分をリターン・ラインに送ってください。

システムのオペレーションに適したサンプル前処理モジュールを選定するには、サンプル調整システムとサンプルの条件を理解することが大切です。 プラントや施設において流体の状態を正しく表すサンプルや正確な分析結果を確実に入手するべく、スウェージロックの プロセス分析サンプリング・システム(PASS)・サブシステム・トレーニング の受講をご検討ください。 豊富な経験をお持ちのサンプリング・システム・エンジニアや業界エキスパートの方々を対象に、サンプル前処理モジュールをはじめとするシステム・サブアセンブリーについて解説します。

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