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標準サブシステム(サンプル・プローブ・モジュールなど)を活用してサンプリングをシンプル化する方法

 

標準サブシステム(サンプル・プローブ・モジュールなど)を活用してサンプリングをシンプル化する方法

2019年10月4日 | Karim Mahraz、製品マネージャー、分析計装担当

オペレーションを効率化するべく、標準のPre-Engineered Subsystems(PrESS)を使用して、流体のサンプリング/制御システムの設計のシンプル化を図ってみてはいかがでしょうか。標準システムを使用することで、取り付けコスト、ダウンタイム(停止時間)、メンテナンス作業を大幅に削減できるほか、異なる施設や国の間でもシステムの一貫性が保持されるというメリットもあります。

最終的には、プラント管理者や施設管理者の方々がプラントにおける効率化やコスト削減に注力する余力が生まれることになるかもしれません。

ここからは、サンプリング・システムのパフォーマンス向上に役立つ一般的なサブシステムと、それぞれのサブシステムがサンプリング・システムの 効率を改善する しくみについて説明していくことにします。

校正/切り替えモジュール(CSM)

分析を行うにあたって複数のプロセス流路を調整・選択する、または校正用の流路を選択するというのが、校正/切り替えモジュール(CSM)の主な機能です。各システムには少なくとも2つの流路が必要になります(プロセス流路 X 2、またはプロセス流路 X 1と校正用流路 X 1)。システムは、外部(通常は分析器)からの空気圧信号で分析用の流路を選択します。この空気圧信号が入力されると、分析する流路のダブル・ブロック/ブリード・バルブ・モジュール機能を持った流路選択バルブ(SSV)が開状態になります 。CSM を使用することによる主なメリットは、以下の通りです:

  • アプリケーションの要件に合わせて、さまざまなサンプル調整の組み合わせを選択することが可能です。
  • 手動でいつでも分析器を校正することができます。
  • プロセス流路はブルー、校正用流路はオレンジ、バイパス・ラインはグリーン、分析計へのサンプル・ラインはホワイトといった色分けを行うことで、流路を簡単に識別することができます。
  • 一体型フロー・ループによって、すべての流路において分析器への到達時間を一定に維持します。また、たまり部を排除し、流路間でのクロス・コンタミネーションを防止します。
  • ベント・エアー・ギャップにより、加圧下でアクチュエーター駆動エアーとプロセス・サンプルが混合するのを防止します。
  • モジュラー・デザインのため、メンテナンスを容易に行うことができます。各コンポーネントは4本のねじを緩めるだけでアセンブリーから取り外せるため、ユニット全体を分解したり、誤って別の流路と接続したりといった想定外のミスは発生しません。
  • バイパス・オプションでCSMへの流量を増やすことで、サンプルの時間遅れを短縮することができます。

アプリケーションによっては、ファスト・ループ・モジュール(後述)を使ってCSMにプロセス・サンプルを供給することで、分析器への時間遅れを改善することができます。また、CSMにバイパス・ラインを追加してプロセス・ラインに戻す(ファスト・ループ経由あるいは個別に)、または廃棄システムに送ることが可能です。流路数は、分析器へのサンプル・ラインと校正ラインの合計になります。

サンプル・プローブ・モジュール(SPM)

サンプル・プローブ・モジュール(SPM)とサンプル・プローブ・バルブ(SPV)を組み合わせると、安全性ならびにサンプルの代表性と適時性を向上させることができます。サンプル・プローブを使用するとサンプル・システムの容積が減少し、時間遅れが短縮されます。ノズルの容積が大きくなると、サンプル・システム全体の置換に必要な容積が増すことになります。なお、プローブを使用すると、プロセス配管の中心部付近からプロセス・サンプルを採取することができるため、配管壁面に付着したスラッジを取り込む可能性が低減されます。さらに、プローブの先端を45° の角度でカットすることで、サンプル・システムに混入するパーティクルの量を大幅に削減できる場合があります。これらの機能により、代表性のあるプロセス・サンプルを採取することが可能になります。

こうした理由から、パイプ径が2 インチ(50 mm)よりも大きい場合は、プローブを使用することをおすすめします。4 インチ(100 mm)を超える場合は、プローブが欠かせないと言っても過言ではありません。プローブはそれぞれのパラメーター(長さ、外径、肉厚、材質など)によって強度、フィルター性能、流速が決まります。溶接プローブは径が大きく厚肉になるほど、大流量のプロセスに対する耐久性は向上しますが、内径が大きくなると流速が低下します。ただし、流速が低下すると、サンプル・ラインに到達する前にプローブ内で落下するパーティクルの量が増え、フィルター性能が向上することになります。小型の格納式プローブは、溶接プローブほどの強度は無いものの、内径が細いことから時間遅れは小さくなります。スウェージロックのサンプル・プローブ・モジュールの詳細につきましては、こちら をご覧ください。

ファスト・ループ・モジュール(FLM)

ファスト・ループ・モジュールは、サンプル移送ラインの流量を増加することで、オンライン分析システムの時間遅れを短縮します。ファスト・ループ・モジュール(FLM) の機能のひとつとして、サンプル・システムを遮断してパージ・ガスによるシステム洗浄を行うことがあります。スウェージロックが提供しているFLMは、ファスト・ループ・フィルターを介してサンプルを採取しますが、バイパス・ラインの流量を増やすことにより、フィルター・エレメントを自己洗浄することができます。

ファスト・ループには、サンプル取出し口とサンプル・リターン用の2つのラインが必要になります。サンプリング用ポンプの費用削減と、サンプリング・システムの信頼性を高めるため、サンプル・リターンは、プロセス取出し口よりも圧力が低い場所に設けてください。また、サンプル取出し口はできるだけ分析器の近くに配置しましょう。サンプルが凝縮する可能性がある場合は、サンプル・ラインとFLMを加熱し、プロセス圧力でのサンプルの露点温度を上回るようにしてください。液体サンプルは、凍結するおそれがある場合を除き、加熱する必要はありません。

フィールド・ステーション・モジュール(FSM)

 フィールド・ステーション・モジュール(FSM) を使用することで、プロセス・ガスを減圧してから分析器に移送することができます。ガス・サンプルを低圧で移送することによる主なメリットは、以下の通りです:

  • 分析器のレスポンス・タイム(応答時間)が速まる:下流側で流量が調整されている高圧ラインでは、ガス分子の密度が高まることで流速が遅くなるため、置換時間が長くなります。ガス・サンプルの圧力を下げると、サンプル移送ラインおよびサンプル調整コンポーネント内の分子が少なくなります。これによりサンプルの置換が容易になるほか、プロセスの変化に対する分析器の応答が短縮されます。移送ライン内に留まっているガス分子の数は、その絶対圧力に比例します。絶対圧力が半分になると移送ライン中のガス分子の数は半分になるため、他の条件が同じであれば、新しいサンプルが分析器に到達するまでにかかる時間は半減します。FSMは、一般的にプロセス圧力が3 bar(ゲージ)(43.5 psig)以上の場合に適しています。
  • 凝縮を抑える:ガスの相対湿度は、混合ガス中の水蒸気の分圧に正比例します。相対湿度(飽和状態)100%とは、使用温度下でガス中の水蒸気の分圧が上限に達している状態です。つまりどのような混合ガスでも、そこに含まれる水蒸気が飽和限界の100%に達すると、サンプル移送ラインで水蒸気が凝縮し始めます。FSMは、混合サンプルに含まれるすべてのガスの分圧を下げることで、ガス・サンプリングにおける凝縮を防止します。ガスの分圧を下げる方法のひとつに、システム全体の圧力を下げるという手があります。全体の圧力の変化に比例して、各ガスの分圧が下がるためです。例えば、サンプルの絶対圧力を半分にすると、混合ガスに含まれる各ガスの分圧は半分になり、サンプル中の水分の分圧も半分になります。このようにFSMを使用することで、サンプル移送ライン内で凝縮が発生する可能性を大幅に抑えることができます。
  • 環境の安全性が向上する:システムの不具合で、加圧状態のガスが急速に大気圧になるまで膨張すると、システムの損傷や人身事故につながるおそれがあります。体積膨張率は、絶対圧力の降下量に正比例します。FSMが設置されていない高圧システムでは、この膨張率が非常に大きくなって、時には爆発に至る場合もあります。サンプル取出し口にFSMを取り付け、サンプル・システムで高圧にさらされる部分を限定することで、環境全体の安全性を高めることができます。

流体供給ヘッダー(FDH)

流体供給ヘッダー(FDH)は、ガスや液体のアプリケーションで幅広く使用されています。単一の流路に対して複数の出口があるFDHは、大型のブランチ継手と同じような働きをします。流体供給ヘッダーは、一方の端に入口が1つ、反対の端にドレンが1つ、両側に複数の出口が設けられた構造を特徴としています。一般的な流体供給ヘッダーは、1本のパイプまたはバーから製造され、エンド・コネクションは溶接またはねじで取り付けられています。

分岐マニホールドまたはヘッダーとして機能するFDHであれば、複数の使用個所にユーティリティー流体を送ることができます。代表的なアプリケーションは、以下の通りです:

  • 冷却水
  • 蒸気
  • 圧縮エアー
  • プラント用窒素

典型的な分析器の格納施設を例に挙げると、3台のFDHをそれぞれ計装用エアー・ヘッダー、プラント窒素ヘッダー、低圧蒸気ヘッダーとして使用します。必要であれば、 複数の FDHサブシステム をねじで接合することで、ヘッダー全体の長さを延ばすことが可能です。

一般的なFDHには、メインのアイソレーション用バルブ1つと複数の出口があり、各出口にもアイソレーション用バルブが取り付けられています。水分を含む可能性があるガス(圧縮エアーや蒸気など)の場合、FDHを垂直に設置して底部にドレン・バルブを設置するのが最適でしょう。液体の場合は、FDHを垂直に設置して底部から供給し、最上部のバルブをベント用として使用することをおすすめします。最上部のバルブは、滞留したエアーを排出する、またはメンテナンス時にFDHを空にするためのエアーを取り込む際に使用します。

スウェージロックの 標準Pre-Engineered Subsystems(PrESS) の詳細や、流体システムの評価/アドバイス・サービスにつきましては、最寄りのスウェージロック指定販売会社までお問い合わせください。

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