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オイル/ガス計装エンジニアに材料科学トレーニングを勧める理由

オイル/ガス計装エンジニアに材料科学トレーニングを勧める理由

2020年3月17日 | Brian Van Valkenburg、トレーニング&サービス・マーケティング・マネジャー

オフショア・オイル/ガス市場が拡大する一方で、漏れのない安定したオペレーションを脅かすリスクは増すばかりです。オイル/ガス事業者は、安全かつ環境に優しいオペレーションを維持しつつ、最大限の利益を上げるという難しいかじ取りを迫られています。

こうした背景から、状況は変わりつつあります。概して、流体システムとその基本コンポーネントの総合的な信頼度が最も優先されるようになったのです。特に運用コストや人員確保といった観点から、プラットフォームの耐用年数と同寿命のコンポーネントが選定され、定期交換を要するコンポーネントは敬遠されるようになりました。また、プラットフォームがより沖合に建設されるようになったため、以前とは比較にならないほどの高い信頼性が求められています。

オフショア・プラットフォームの構成も考慮する必要があります。計装ライン、油圧動力、化学薬品注入、散水システムなどを擁する一般的なオフショア・プラットフォームには、総延長およそ15,000メートルにも及ぶチューブ、20,000個を超える流体システム・コンポーネント、10,000個以上の継手が使用されているほか、8,000カ所にものぼる接続個所が存在します。プラットフォームの総合的な信頼性と安全性を確立するには、どれひとつとしておろそかにはできません。適切なコンポーネントと材料の選定は、非常に重要なのです。

こうした現状からも、冶金学や材料科学を習得することがますます重要になっています。冶金学・材料科学の適切なトレーニングを受講することは、腐食防止や成果向上に取り組む現代のオイル/ガス業界のエンジニアにとって確実にメリットがあるのです。

スウェージロックの材料科学トレーニングの詳細を見る

スウェージロックのフィールド・サービス・チームは、オイル/ガス業界のお客さまを対象に、プラットフォームに適した材料の選定や指定に関する知識を深めていただくため、 材料科学トレーニング ・プログラムを定期的に開催しています。今回は、オイル/ガス業界のエンジニアが材料科学の知識を習得するメリットと、スウェージロックが実施しているトレーニングの概要を紹介します。

最先端の合金とトレーニングのメリット: 実は「どの材料を選定・指定すべきか?」という問いに対する答えは、実はかなり複雑で、一言では到底答えられるものではありません。

316ステンレス鋼 チューブは、かつてはオイル/ガス・アプリケーションに使用する材料といえばこれ、といわれるほど定番の選択肢でした。その適度な性能は長く重宝されてきましたし、今もなお適切な条件下であれば、問題なく使用することができます。しかし、オイル/ガス市場が拡大し、プラットフォームで使用するチューブや継手に求められる性能が高まるにつれて、316ステンレス鋼チューブの脆弱性が顕在化し始めました。過酷な海洋環境による腐食が、オフショア・プラットフォームの耐用年数よりもはるかに早く生じるようになったのです。一方で、腐食したコンポーネントを延々と交換し続けるだけでは、費用もリスクも増すばかりです。

そこで、腐食を防止するべく、耐食性に優れたさまざまな合金(スウェージロックのスーパー・デュープレックス・ステンレス鋼、6-molyステンレス鋼など)が新たに開発されたのです。しかしながら、プラットフォームのあらゆるアプリケーションで高性能の合金を指定するだけで良いのでしょうか。

必ずしもそうとは言い切れません。それぞれのシステムに合った材料を選定するには、多様かつ複雑に絡み合う要因を考慮する必要があります。つまり、環境条件、要求性能、そして当然ながらコストを考慮しなくてはいけません。使用する材料をひとつにまとめればシンプルで良いと考える人もいますが、コスト面から見れば最善策ではないというケースもあるでしょう。

例えば、316ステンレス鋼は延性に優れているため、成形や溶接が容易な上、価格も手ごろであるというメリットがあります。このため、オイル/ガスの流体システムにおいても、日光や塩水噴霧といった環境要因から遮断あるいは保護されている場合は、316ステンレス鋼を使用することが可能です。ただし、316ステンレス鋼の配合は必ずしも同じではないという点には注意が必要です。なお、ASTM規格の最小要件を超える量のニッケルとクロムを配合することで、耐食性と信頼性を高めることが可能です。

「材料セレクション・ガイド」で材料選定に関する情報を見る

これとは対照的なのが、サワー・ガス(硫化水素)を使用する流体システムです。このシステムにおける硫化水素割れや硫化物応力割れ(SSC)を防止するには、非常に高い耐食性が求められます。SSCとは、硫化水素および水分と接触することで生じる金属の劣化のことです。硫化水素タンクの建設が世界中で進む中、硫化水素と水分は、数多くのオフショア・プラットフォームでは非常にありふれた組み合わせと言えます。硫化水素は、水分が存在すると腐食性が強まるため、材料が脆化し、引張応力と腐食の相互作用によって割れが生じます。このような場合は、NACE MR0175/ISO 15156規格に記載されている 合金825 や、 合金625 といった特殊合金を指定して、安全性と持続可能性を確保する必要があります。

2つの両極端な例を紹介しましたが、アプリケーションのニーズに最も適した合金が他に存在する可能性もあります。例えば、システムによっては、特殊合金チューブが必須であっても、チューブ継手は316ステンレス鋼製でも問題ありません。オイル/ガス業界のエンジニアが実際の現場に即した材料科学の知識をしっかりと持ち合わせていれば、最適な選択を行い、プラットフォーム全体の価値を最大限に高めることができます。

「生きた」材料科学を学べる: 優れたトレーニングを見つけるには、内容以外にもさまざまな点を確認する必要があります。トレーニングを検討する際は、数え切れないほどの現場経験を積んでいるか、自らにも厳しいトレーニングを課している講師を探しましょう。

優れたトレーニング・プログラムは、概論だけで終わることなく、現場での日常業務で直面するニーズや課題を踏まえています。そしてそれは、講師がその地域の状況や規制など、現場に影響を及ぼすような地域固有の要因をどれほど理解しているかにかかっています。例えば、オイル/ガス施設のオペレーションに課せられる規制は、英国北部とメキシコ湾では異なるということです。

トレーニングでカバーすべき地域の固有性には、その土地での一般常識も含まれる場合があります。例えば、マレーシアのスウェージロック指定販売会社は、マレーシアに加えてインドネシア、シンガポール、タイ、ベトナムの各市場でも幅広くビジネスを展開していますが、これらの地域のオイル/ガス市場はようやく産声を上げたばかりで、発展途上の段階にあります。こういった背景から、リスクもリターンも大きいオイル/ガスのオペレーションにおいては、材料科学と腐食に関するトレーニングに対するニーズが高いことを我々は認識しています。そこで我々は業界関係者の知識向上を図るべく、冶金学と材料科学のトレーニングを実施し、大きな成果を上げたのです。もちろん、その他の市場やプラントのアプリケーションには、オイル/ガス市場とは異なるニーズがあります。これに対してもスウェージロックのチームは、お客さまとのミーティングを実施し、合金に関する質問を受け付けるといった取り組みを行っています。.

トレーニングや材料を選ぶ際は、個々の特性も考慮する必要があります。全世界のオイル/ガス・プラットフォームにおける相違点を挙げればきりが無いものの、そういった違いのすべてが材料選定に影響するためです。「普段どのような方法でチューブや継手を取り付けていますか?」「どのようにシステムの清浄性を維持していますか?」「日光や海水噴霧からシステムを保護することは可能ですか?」

これらは、材料科学トレーニングや材料の選定・仕様を決定する際に、我々がお客さまに伺っている質問ばかりです。トレーニングを検討する際は、オペレーション毎のニーズや課題を考慮した上で、オーダーメイドのサービスと専門知識が提供されるか否かを重視しましょう。

スウェージロックのトレーニングに関する詳細につきましては、スウェージロック指定販売会社までお問い合わせください。

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