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ホースのエンド・コネクションのタイプおよび用途

適切なホースのエンド・コネクションを選定するには

Doug Nordstrom、シニア製品マネジャー

産業用ホースは、世界各地の施設において重要な役割を担っているにも関わらず、有益なベスト・プラクティスに関してメーカーによるガイダンスがほとんど提供されていないというのが実情です。ホースの選定、取り付け、検査、メンテナンスについては、ユーザーや取り付け担当者任せというのが当たり前になっています。選定を誤った場合、ホースは最適なパフォーマンスを発揮することなく、早々に機能しなくなるおそれがあります。その結果、コスト増につながり、施設において安全上のリスクが生じかねません。

ホースのエンド・コネクションは、その一例です。いざ流体システムの設計に取り掛かってみると、あまりにも多くのタイプのホースやフレキシブル・チューブ用のエンド・コネクションがあることに戸惑ってしまう方もいるのではないでしょうか。選定したエンド・コネクション・タイプが不適切だった場合、プロセスに不具合が生じて作業員を危険にさらすことになったり、収益に多大な影響を与えたりするおそれもあります。エンド・コネクションのパフォーマンスを定期的に確認し、異なるタイプに交換することでシステムの効率や品質が向上するかを調べることが重要です。

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作業員の安全を確保しつつ、コストを抑えるには、さまざまな材料やパフォーマンスの高品質なホースを入手するのはもちろん、ホースの適切な使用方法やメンテナンスに関する知識を得る必要があります。ニーズに合ったホースのエンド・コネクションを選定するにあたって、何から始めればよいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。エンド・コネクションを選定する際に考慮すべきポイントは、工業規格、ホース・タイプ、システム仕様の3点です。

工業規格を考慮する

業界ごとに特有の用途がある上、それぞれ必要なエンド・コネクションも異なります。高パフォーマンスの流体システムを実現・維持するには、それぞれの業界に適したエンド・コネクションを選定することが重要になります。エンド・コネクションを使用する一般的な業界、そしてアプリケーションの仕様につきましては、以下をご参照ください。

製薬/バイオ製薬/バイオテクノロジー

製薬/バイオテクノロジー業界において、流体システム設計時の最重要事項となるのは衛生です。この業界で使用するエンド・コネクションは、クリーニングを容易に行うことができるかが重要なポイントになります。これは、クリーニングの際にシステムを分解する場合はもちろん、CIP(clean-in-place)プロセスであっても同じです。エンド・コネクションの表面は、細菌が増殖しにくく、かつ耐食性に優れていることが求められます。

半導体

半導体業界において、流体システム設計時の最優先事項となるのは、材料の清浄度です。半導体産業で使用されるホースのエンド・コネクションは、厳格に要求される高度な清浄性を維持することが求められます。繊細な機械加工でコンタミネーションの滞留や、腐食に対応する処理が施されたエンド・コネクションが選定されます。

一般産業

上記以外の業界における流体システム・アプリケーションでは、設計時のポイントとなるのは、高圧下でのエンド・コネクションや継手のパフォーマンスです。なお、高圧に対応するため、チューブの前処理が別途必要となる場合もあります。

プロセスに適したホースのエンド・コネクションを選定する方法を動画でご覧ください。


ホースの要件を考慮する

透過性/耐薬品性

ホースのエンド・コネクションおよび材料の要件は、各アプリケーションで求められる耐食性や透過性のニーズによって変わります。どのような材料であってもホースにはある程度の透過性があるため、使用前にテストを行ってアプリケーションに適しているか確認することをお勧めします。同様に、耐薬品性は、大半の流体システム・アプリケーションに求められる要件です。化学反応やシステムの損傷/腐食を防止するには、適切なホース材料を選定することが極めて重要になります。

使用圧力/使用温度範囲

流体システム部品は、各アプリケーションで求められる圧力/温度に対応することが求められます。油圧システムや一般産業用などの高圧/高温のアプリケーションの場合、シングル・ブレードまたはダブル・ブレード付きの環状コンボルーティッド・コア・ホースを選定するのが一般的です。高圧/高温用ホースの要件は、ダイナミック(動的)・アプリケーション(ホースに曲げが生じる、または位置の変動があるアプリケーション)で求められる要件とよく似ており、ホースの選定時に考慮すべきポイントとなります。

ホース材料

一般的な用途には、メタル・コアが適しています。メタル・コア・ホース の使用温度範囲は -198~454°Cです。このような高温に対応できるのはメタル・コア・ホース以外に無いというケースも少なくありません。一方、シリコーンは、その柔軟性からサニタリー業界でよく使用されています。しかし、シリコーンの耐薬品性には限界があり、かつ吸着性も有しているため、コンタミネーションの原因にもなりえます。このような理由から、サニタリー業界ではコア材料にフルオロポリマーを使用するケースが増えています。代表的なフルオロポリマーにはPTFE、PFA、FEPの3種類があり、シリコーンよりも若干高い温度まで使用することができます。また、サーモプラスチック(ナイロン)・ホース は高圧に対応できるため、油圧用途でよく使用されています。ゴム・コア・ホース は安価なため、主に低圧アプリケーションで広く使われています。

システムの仕様を考慮する

いよいよシステムにホースを接続するためのエンド・コネクションの材料/タイプを選定します。システムおよびホースのエンド・コネクションの材料は、同一のものを選んでください。大半のエンド・コネクションは、外観がよく似ていても、寸法やねじは若干異なっています。よって確実に互換性があるとは言い切れません。

その他にも、適切なホースのエンド・コネクション・タイプを選定するにあたって考慮すべき項目があります:

スウェージロック製品の選定時に役立つツール

アプリケーションに適したホースのエンド・コネクションを選定するにあたって、サポートが必要ですか?スウェージロックでは、製品選定用のオンライン・ツールを各種ご用意しています:

  • 取り付けの難易度および/またはパフォーマンス: エンド・コネクションの交換頻度はどのくらいか、交換が必要な場合は、定期的にエンド・コネクションを交換しやすいかといった点を検討しましょう。
  • 在庫の簡素化: 流体システムのパフォーマンス、適合性、仕様の3点が、ホースのエンド・コネクションの選定時における重要ポイントとして挙げられますが、選定したエンド・コネクションがオペレーションに与える影響についても検討する必要があります。部品の在庫のしやすさ、再注文プロセスの簡素化、ベンダーや部品のOEMの統一といった点も考慮しましょう。
  • ホースのエンド・コネクションのコスト: 流体システム部品を選定するにあたり、コストを常に考慮すべきなのは言うまでもありません。しかし、頻繁に交換が必要になった場合の生涯コスト を考えれば、廉価な部品を使用する方が結果的に高くつくこともあるのです。

残念ながら、上記のフレキシブル・ホースのエンド・コネクション・タイプに関する考慮事項は、簡単に実行できるとは限りません。エンド・コネクションなどの部品を選定する際に全体的な流体システム設計を評価するのは、設計エンジニアの手に委ねられています。

製品の選定、流体システムの設計、ホースに関する考慮事項について、サポートが必要ですか?スウェージロックにお任せください。ホースの専門スタッフがご相談を承ります。

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