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液体およびガスのサンプリング・システムにありがちなミスを防止する

液体およびガスのサンプリング・システムにありがちなミスを防止する

2019年4月24日 | Karim Mahraz、製品マネージャー、分析計装担当

サンプリング・システムの設計プロセスでは細心の注意が必要です。ちょっとしたミスが原因で、システムの信頼性が揺らぐこともあります。 また現在発生しているエラーの中には、過去の設計担当者によるミスに端を発するものも少なくありません。 今回は、液体およびガスのサンプリング・システムに関するエラーを防止する方法を紹介します。

より適切なガス・サンプルを採取する

ガスの挙動は、圧力と温度の変動に左右されます。これは、サンプリング・システムにおいても同様です。 こうした変動が凝縮や時間遅れにつながり、分析結果にも影響が及ぶことになります。 これを回避するには、ガス・サンプルの圧力をできるだけ早く、またできるだけ大きく降下させましょう。 圧力が下がればサンプルの温度が下がり、サンプリング・システムを通過するガスが凝縮する可能性を最小限に抑えることができます。 さらに、ラインの加熱も最小限で済むことになります。 ガス・サンプルの圧力を下げるには、レギュレーターやリストリクター(ニードル・バルブ、オリフィス、キャピラリー・チューブなど)が有効ですが、これらのコンポーネントの高圧側では凝縮が生じる可能性が高くなります。

ガス・サンプリング・システムの設計における注意事項は以下の通りです:

  • 露点温度でガスを移送しない: ガスは露点温度になると飽和してすぐに凝縮するため、圧力を下げるか、ラインを加熱してください。 ラインを加熱する方が効果的なのは、圧力を低下させたとしても、ラインのどこかでガスが冷却されると、更なる凝縮を防止することができなくなるためです。
  • ガス・ラインの温度を維持する(断熱材を過信しない): 断熱材を使用していても、何らかの理由でシステム圧力が低下してガスの温度も下がり、最終的にガスが露点温度に達して凝縮が発生することもあります。 必要に応じてヒート・トレースを使い、ライン全体をまんべんなく加熱してください。
  • 圧力が低下するポイントの二次側だけでなく、一次側も加熱する: ガス・サンプルは、圧力が低下すると温度も下がるということを覚えておきましょう。 一次側を加熱しないと、凝縮が発生する可能性が一層高まることがあります。
  • レギュレーターを加熱し、圧力降下を20 bar以下に抑える: 急激なガスの圧力損失が発生すると温度も急激に下がり、レギュレーターが凍結することがあります。 この現象は、 ジュール・トムソン効果 によるものです。 レギュレーター(可能であれば隣接するチューブやその他のコンポーネントも)を加熱し、ジュール・トムソン効果を緩和してください。
  • 外部ラインをヒート・トレースする際は、空調付きのシェルター内でもチューブを加熱する: 温度が急激に下がると、凝縮や圧力降下が発生して厄介な状況に陥る可能性も高まります。 シェルター内のラインでもヒート・トレースを継続して行ってください。

適切な液体サンプルを採取する

ガス・サンプルは圧力を大幅に下げる必要がありますが、一方、液体サンプルはできるだけ長い間、高い圧力を維持する必要があります。 これは、長いチューブやフロー・リストリクターを通過するうちに液体の圧力が下がるためです。 フロントエンドの圧力を上げると、流体が高圧のままシステム内を移動するため、二次側にポンプを設置する必要がなくなり、時間遅れの短縮が期待できます。

液体サンプリング・システムの設計における注意事項は以下の通りです:

  • 沸点温度で液体を移送しない: 沸点温度とは、液体の初留点のことです。この温度は、特にガスが溶解している液体の場合、想定よりもかなり低くなることがあるため、液体の圧力をできるだけ高く維持した状態で分析器に移送してください。
  • 取出し口で液体の圧力を下げない: 取出し口で液体の圧力を下げると、大幅な時間遅れが発生するおそれがあります。また、二次側にポンプが必要になるおそれがあります。 取出し口からすべての中間コンポーネントを経て分析器に至るまでの間は、十分な圧力を維持することが大切です。
  • ニードル・バルブは分析器または流量計の手前に取り付けない: ニードル・バルブなどの流量を調整する装置によって圧力が低下すると、液体にガスが発生して分析結果に影響が出る可能性が高くなります。 高圧と低温(ただし液体の流動点は下回らないこと)を維持し、バブリング(気化)の発生を防止してください。
  • ニードル・バルブは気化器の手前に取り付けない: 一般的に、時間遅れは液体サンプリング・システムのさまざまな部分で発生しますが、最も多いのは気化器の一次側ラインです。 気化器を使用すると、5分以内に分析器の応答を得るのは難しくなります。 気化器の手前にニードル・バルブを取り付けると、さらに時間がかかることになります。

成功の輪を広げる

サンプリング・システムの設計は、綿密な作業の積み重ねがあってこそ成り立つものであって、ひとつとして同じシステムは存在しません。 今回のコラムの内容が、サンプリング・システムの改善につながり、今後のシステム設計者の業務軽減に役立つことがあれば幸いです。

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